シグマが“ミラーレスFoveon X3”、「sd Quattro」「sd Quattro H」を発表
シグマが、ミラーレス一眼タイプのFoveon X3 Quattroセンサー搭載カメラ「sd Quattro」「sd Quattro H」を発表した。シグマSAマウントを備え、同社のレンズ群でFoveon X3 Quattroセンサーでの撮影が楽しめる。
シグマが2月23日、レンズ交換式のミラーレス一眼「SIGMA sd Quattro」と「SIGMA sd Quattro H」を発表した。発売日、価格は未定だが、25日から開催するCP+ 2016にて展示を行う。
sd Quattroは、「SIGMA SD1 Merrill」のコンセプトを継承しつつ、ミラーレス一眼スタイルへと進化したレンズ交換式カメラ。レンズ一体型の「dp Quattro」シリーズと同等の高画質、コンパクトなボディに加えて、シグマSAマウントを備え、画質の高さで定評のあるSIGMAブランドの各レンズがそのまま装着できる。
sd Quattroとsd Quattro Hは、センサーサイズが違う。sd QuattroはAPS-Cサイズのセンサーを搭載しており、一方sd Quattro Hは、APS-Hサイズ(約26.6×17.9mm)の新開発大型Foveonセンサーを採用した。
イメージセンサーはFoveon X3 Quattro。トップ層に4画素、ミドル層とボトム層にそれぞれ1画素を配置する構造が特徴で、光の波長特性を利用して、シリコンの異なる深さにフォトダイオードを配置して色分離をしていることから、偽色が発生せず、ローパスフィルターは搭載していない。APS-Cサイズの場合、トップ層が1960万画素で、約3900万画素相当の解像度を実現。APS-Hサイズはトップ層が2550万画素あり、約5100万画素相当の写真が撮影できる。画像処理エンジンはFoveon X3 Quattro専用の「TRUE(Three-layer Responsive Ultimate Engine) III」を2つ搭載した。
もともと非常に精細で高画素な写真が撮れるFoveon X3 Quattroセンサーだが、新たに搭載したSFD(Super Fine Detail)モードでは、1回のレリーズで1枚の露出の異なる画像を取得し、専用のRAWデータ(X3Iファイル)を生成することが可能。このRAWデータから、ダイナミックレンジが広くノイズレスな画像が生成できるという。スタジオでのスチル撮影などに活用できる機能だ。
AFは、像面位相差検出方式とコントラス検出方式の2つを採用。AFモードはシングルAF、コンティニュアスAFが利用可能で、動体予測機能も備える。フォーカスフレームは9点〜選ぶ9点選択モードの他、任意の位置に細かく移動できる自由移動モード、顔優先AFモードから選択可できる。ピントの山を色つきの線で協調するフォーカスピーキング機能も備える。
ファインダーは約236万ピクセルのEVF(視野率約100%、倍率約1.09倍)と、背面には約162万ピクセルの3型TFT液晶を搭載する。また背面には撮影可能枚数やシャッタースピード、絞り値、ISO感度などを表示するサブモニターも用意した。ライブビュー画像と設定情報が同時に確認できる。
ボディはマグネシウム合金製で、軽量ながらも強度は確保。防塵・防滴使用を実現したほか、ダストプロテクターによりゴミやホコリの侵入も防ぐ。記録メディアはSDメモリーカード(SD、SDHC、SDXC)が利用できる。HDMI端子(ミニHDMI タイプC)とmicroBタイプのUSB 3.0端子も備えた。別売のアクセサリーとして、バッテリーを2本収納して約3倍の駆動時間を実現するパワーグリップ「POWER GRIP PG-41」なども用意する。
外形寸法はsd Quattro、sd Quattrl Hともに147(幅)×95.1(高さ)×90.8(奥行)mmで、重さはsd Quattroが625g(バッテリー、SDメモリーカードを除く)。sd Quattro Hの重さは未定。
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