ACCESS、電子出版プラットフォーム「ACCESS Digital Publishing Ecosystem」を提供開始

ACCESSは、スマートフォンやタブレット端末向けの電子出版プラットフォーム「ACCESS Digital Publishing Ecosystem」の提供を開始した。同プラットフォームを採用したメディアファクトリーは、さっそく3作品をiPhone/iPadアプリとしてリリースした。

» 2011年04月13日 14時37分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

電子出版のプラットフォーマーへ

 ACCESSは4月13日、スマートフォンやタブレット端末向けの電子出版プラットフォーム「ACCESS Digital Publishing Ecosystem」の提供を開始した。同プラットフォームを採用したメディアファクトリーは、4月12日からiPhone/iPad向けに、「緋弾のアリア」「まりあ†ほりっく」「殿といっしょ」の電子書籍アプリの配信を開始している。

 同プラットフォームは、電子書籍向けのビューワや、コンテンツ配信、広告配信システム、売上管理システムなど、端末からサーバシステムまでをACCESSが包括的にサポートするもの。出版社などのコンテンツプロバイダーは、このプラットフォームを利用することで、ビューワの開発やバックエンドのシステムを構築することなく、コンテンツをユーザーに届けることができる。

ACCESS Digital Publishing Ecosystem

 注目したいのは、“Digital Publishing”と銘打たれているように、電子書籍(小説、コミック)だけにとどまらず、ゲームや動画、壁紙、ニュースなどのコンテンツをパッケージで届けることができる点。これにより、メディアミックスで展開されているようなコンテンツの魅力をそのままユーザーに届けることができる。また、広告配信やレコメンドシステムも用意されており、効果的なプロモーションを展開することもできる。

 同プラットフォームの最初の顧客となったのはメディアファクトリー。この春からテレビアニメ化された人気ライトノベル「緋弾のアリア」や、同じくテレビアニメ化された「まりあ†ほりっく」、テレビアニメ第2期の放送が開始された「殿といっしょ」の3作品について、同プラットフォームを利用し、iPhone/iPad向けにアプリの提供を開始した。

 例えば「緋弾のアリア App」では、ライトノベルやコミック、プロモーションビデオ、壁紙、ミニゲームなどが1つのアプリの中で楽しむことができる。アプリ内で新刊コミックなどを買うことも可能になっており、これまでの電子書籍単体アプリではなしえなかった訴求力を持たせている。

1つのアプリの中で電子書籍、動画、ゲームなどを利用可能に。これはもはや電子書籍の枠を超えており、ユーザーもこうしたパッケージを待っていたといえる

 ちなみにACCESSは、iPhone/iPad用の人気電子書籍リーダーアプリ「i文庫/HD」を手がける渚技研と2010年9月に協業を発表している。ACCESS Digital Publishing Ecosystemの電子書籍ビューワ部分には、i文庫/HDの技術が活用されているとみられ、電子書籍単体を見ても読みやすい仕上がりとなっている。

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