紀伊國屋書店、Android向け電子書籍の配信/販売サービスの提供へ

紀伊國屋書店は、Androidを搭載するスマートフォン/タブレット向けに、ストア/ビューワ一体型のアプリ「紀伊國屋書店Kinoppy」を5月20日から提供開始する。紙書籍の注文も可能なアプリとなっている。

» 2011年05月13日 13時40分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 紀伊國屋書店は、Androidを搭載するスマートフォン/タブレット向けに、ストア/ビューワ一体型のアプリ「紀伊國屋書店Kinoppy」(キノッピー)を5月20日からAndroid Marketで提供開始する。価格は無料。

 紀伊國屋書店は2010年12月に電子書籍ストア「紀伊國屋書店BookWebPlus」を立ち上げており、PC向けに約1100タイトルの電子書籍を配信している。今回の発表は、基本的にはBookWebPlusがAndroid搭載スマートフォン/タブレットでも利用できるようになったと考えればよい。ユーザーはAndroid搭載スマートフォン/タブレットを会員IDにひも付けることで、購入済みの電子書籍を同一の会員IDでひも付けること別のデバイスに再ダウンロードしたり、電子書籍の読書記録(しおり、メモ、どこまで読んだか)などを同期させることができる。

 ただし、実際には紀伊國屋書店が提供するほかのサービスとも密に連携したアプリとなっている。ここで同社のサービスを整理しておくと、「紀伊國屋書店BookWeb」は同社が運営する書籍などの通販サービスで、「紀伊國屋書店BookWebPlus」が電子書籍ストアだが、紀伊國屋書店KinoppyはBookWebとBookWebPlusの両方の商品を検索/購入できるアプリとなる。つまり、紙書籍と電子書籍を区別なく扱おうとしているということになる。

 Kinoppyのリリースに合わせ、BookWebPlusの配信タイトルも拡大する。光文社古典新訳文庫「カラマーゾフの兄弟(1)〜(5)」のほか、「ウィキリークス以後の日本〜自由報道協会(仮)とメディア革命〜」を始めとする光文社新書18点、角川書店「天地明察」(2010年第7回本屋大賞受賞作)、金の星社「ハッピーバースデー」などの作品は、ほかの電子書籍ストアに先駆けてBookWebPlusから配信予定で、Kinoppyのリリース時点では約5000タイトルを取り扱うという。

 こうしたサービスを提供可能にするため、システム側ではID連携などが進んでおり、BookWebの会員IDでBookWebPlusサービスも利用可能となっているほか、同社が提供するポイントサービス「紀伊國屋ポイント」がどのサービスでも付与/利用できるようになった。

 5月20日の時点ではAndroidアプリとして提供するが、6月初旬をめどにスマートフォン/タブレットそれぞれに最適化したものを提供する予定。なお、iPhone/iPad向けについては、Appleの承認が下りず公開が遅れていると2011年1月にリリースされて以来動きはない。

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