シャープの「SpaceTownブックス」、諸般の事情で終了へ

シャープが2006年4月から運営していた電子書籍販売サイト「SpaceTownブックス」が、“諸般の事情”により11月末でサービスを終了する。CCCの動きなども考慮すると、何かが起こりつつある。

» 2011年07月04日 13時48分 公開
[西尾泰三,ITmedia]
SpaceTownブックス

 シャープは7月1日、2006年4月からサービスを提供していた電子書籍販売サイト「SpaceTownブックス」を、“諸般の事情”により11月末でサービスを終了することを明らかにした。

 まだ電子書籍市場が今ほど盛り上がっていなかった時代から主にXMDF(一部テキストファイル)の電子書籍を販売してきた同サイトだが、約5年半の歴史に幕を閉じることになった。なお、電子辞書「Brain」向けコンテンツ販売サイト「ブレーンライブラリー」は、引き続きサービスを提供する。

 終了までのスケジュールは、8月26日まで新刊が追加され、8月31日をもって新規会員登録を終了、9月30日には販売も終了する。会員サポートは11月30日で終了予定。コンテンツの再ダウンロードは11月30日まで行え、ダウンロードした電子書籍コンテンツはサービス終了後も閲覧可能。サービスの終了とともに、シャープ側で全会員の退会手続を行うため、退会処理などは不要。

 シャープは2010年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と合弁会社を設立、電子書籍ストア「TSUTAYA GALAPAGOS」を新たに立ち上げ、同時期に発売したメディアタブレット「GALAPAGOS」とともに昨年の電子書籍市場を盛り上げたプレイヤー。

 しかし、両社の蜜月はここにきてゆらぎが生じつつある。CCCは6月30日、TSUTAYAブランドを冠した電子書籍ストア「TSUTAYA.com eBOOKS」を単独でオープンさせた。TSUTAYA.com eBOOKSで販売される電子書籍コンテンツが(XMDFの競合である).book形式をメインに据えていることから考えても、両社の関係は少なくともTSUTAYA GALAPAGOSのオープン時から変化していることは間違いない。

 今回のSpaceTownブックス終了が、TSUTAYA GALAPAGOSへの一本化の施策なのか、それともさらに大きなてこ入れの準備なのかはまだ不明。ただし、7月1日付けで同社のメディアタブレット事業推進センター所長の人事異動も発表されていることなども考慮すると、今後何らかの大きな動きがありそうだ。

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