Kindle Print Replica、紙とほぼ同質の読書経験を提供

すべてのユーザーが同じページ数を参照することが求められる研究書や教科書の電子化に福音となりそうな「Kindle Print Replica」に市場関係者の注目が集まっている。

» 2011年09月05日 14時26分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 Amazon.comは、Kindleアプリで消費者が選択したタイトルの完全なコピーを提供しようとしている。それらのタイトルは現在、Kindle Print Replicaという名称でPCおよびMac向けのKindleアプリ経由で提供される。Amazon上ではタイトルの最後に「Print Replica」という括弧付きのフレーズで表示されるものがそれだ。

 Print Replicaタイトルでは、ページ当たりのワード数は正確に保持され、ページ数に基づいてキーになる情報を探すことが可能となる。これはすべてのユーザーが同じページ数を参照することが求められる研究書や教科書を利用するのに極めて重要なツールだ。教科書はPrint Replica形式に非常に適しているので、多くのPrint Replica書籍が貸出用に利用でき、価格は30日から1年の貸出期間に応じて決定される。

 もちろん、すべてのタイトルが見た目を維持することに厳格にこだわっているわけではないので、Print Replicaとして入手できる対象タイトルは限られている。ページごとのワード数とページ数を維持するためにフォントサイズが固定されているので、フォントを拡大する機能を利用しながら電子書籍を読むのを好む読者はがっかりするかもしれない。しかし、Kindle Print ReplicaはPDFファイルと類似した方法で作成されているので、パンやズームは、テキスト注記やハイライトといったKindleの電子書籍に独特のほかの特徴とともに、いまだに実行可能なオプションとして用意されている。

 Print ReplicaタイトルはKindleの経験に慣れ親しんでいるユーザーからすればかなり独特の読書経験だ。Print Replicaタイトルではテキストの読み上げは機能せず、Whispernet経由のダウンロードに掛かる時間も一般的な電子書籍のそれよりは少し長い。さらに、この形式はKindleデバイスでは入手できないのだが、ユーザーにスクリーン上でテキストを操作する容易さとともに、正確なページ数での比較を提供する新たな読書をするための製品にあえて乗り出した限りで、Amazonは新たな素晴らしい電子読書体験を解き放ったといえよう。

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