スキャン代行業者で、現在著作権者から提訴されている「スキャン×BANK」は、スキャン代行サービスの中止を発表した。
書籍のスキャンをユーザーに代わって行うスキャン代行業者で、現在著作権者から提訴されている「スキャン×BANK」は2月2日、書籍及び雑誌のスキャン代行サービスを今後行わないことを明らかにした。
同社は、一昨年辺りから急速にその数を増やしたスキャン代行業者の1社。スキャン代行は複製権の侵害であるとする著作権者や出版社側は、スキャン代行業者にその行為の意図を問う質問状を2011年9月に送付している。ほとんどの業者が著作権者が許諾していない作品はスキャンしないと歩み寄りの姿勢を見せる中、スキャン×BANKは「依頼があれば今後もスキャン代行を行う」と回答していた。
2011年12月には浅田次郎氏、大沢在昌氏、永井豪氏、林真理子氏、東野圭吾氏、弘兼憲史氏、武論尊氏の7名が原告となり、スキャンボックスを提供する愛宕と、スキャン×BANKを相手取って原告作品群に対する複製行為の差し止め請求を提訴していた。
2月から始まる裁判にも注目が集まるが、早々に白旗を揚げた格好に映るスキャン×BANK。同じく被告となっている愛宕が運営するスキャンボックスのサイトでは、新規受付が中断された状態となっている。
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