Appleと出版大手4社、欧州委と和解でEU圏でのエージェンシーモデル販売を断念

欧州における電子書籍のエージェンシーモデルは難しくなった。

» 2012年09月21日 19時25分 公開
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 欧州委員会(European Commision)は9月19日(現地時間)、電子書籍の“エージェンシーモデル”販売にからみ、独占禁止法違反の疑いなどで告発準備していた米Apple、米Simon & Schuster、米Harper Collins、仏Hachette Livre、独Verlagsgruppe Georg von Holtzbrinckの5社からの和解仲介案を一旦受け入れ、2年間の監視処分とすることを発表した。

 「エージェンシーモデル」とは、小売価格を書店ではなく出版社が設定するビジネス方式。EU圏では昨年辺りから、電子書籍価格の再販制度適用を維持するドイツ・フランス陣営と自由価格を尊重する英国陣営の間で政治的な駆け引きが激しくなっており、この抗争にAppleの電子書籍販売ストア「iBookstore」(注:ルクセンブルクが欧州拠点)が板挟みになっていた。

 なお、米国でも司法省が同様に独禁法違反の可能性があるとして、Appleは全面対決しているが、なぜか欧州委員会に対してはあっさりと降参。この結果、ドイツ・フランス陣営が固辞する電子書籍価格の再販制に周辺国から今後大きな市場圧力がかかるのは必至となりそうだ。

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