富士フィルム、EPUB 3オーサリングツール「GT-EpubAuthor for Fixed Layout」発売

富士フィルムがWindows用オーサリングツール「GT-EpubAuthor for Fixed Layout」を発売。レイアウト再構築技術「GT-Layout」も縦書きに対応するなど、キラリと光る電子出版ソリューションを拡充中だ。

» 2012年10月02日 16時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 富士フイルムは10月1日、電子書籍・電子書籍の制作現場向けに、画像から固定レイアウト型のEPUB 3ファイルを出力できるWindows用オーサリングツール「GT-EpubAuthor for Fixed Layout」を発売した。価格はオープン。

 電子書籍フォーマットの世界標準として国内での採用も進むEPUB 3。EPUBは、端末の画面サイズに対応して自動的に改行する「リフロー」が特長としてよく取り上げられるが、国内の現状をみると、制作コストなどとの兼ね合いから、ページのレイアウトを固定して文字のリフローを行わないフィックスレイアウト型(固定レイアウト型、フィックスなどとも呼ばれる)で提供されることが多い。今回発表された「GT-EpubAuthor for Fixed Layout」は当初、主に電子コミックの制作を想定した「GT-MangaAuthor」という名称だったが、上述のような状況もあり、固定レイアウトであれば汎用に対応できるEPUBオーサリングツールとして正式リリースされた。

シンプルなインタフェースで、簡単に、高品質・コンパクトな固定レイアウトのEPUB 3ファイルを出力できる(同社製品ページより)

 綴じ方向の指定、見開きの表示指定などに加え、目次設定(ナブゲーション方式、クリッカブルマップ方式)やWebページへのリンク指定、コミックの場合は自動抽出したコマの読む順序の方向の指定なども可能で、日本と海外で異なる読み方の違いなどもこれで対応する。また、海外の出版社、編集・制作会社などの使用も想定し、操作画面の英語表示にも対応した。オプションとして、独自の画像処理技術を用い、高画質とコンパクトなファイルサイズを両立させる「GT-Quality」なども用意されている。

GT-EpubAuthor for Fixed Layoutの主要機能

 また9月末には、同社のレイアウト再構築技術「GT-Layout」が縦書きに対応したことも発表されている。同社の独自技術「GT-Document」で画像に変換した文書ファイル上の段落構造や文字の並びを解析し、端末の画面サイズに合わせて自動的にリフローさせるGT-Layoutは、外字や旧書体の文書でもそのまま電子化し、リフロー表示に対応した電子書籍を簡単に制作できる。

 このほかにも、コマごとにエフェクトをかけ、一般的なEPUBビューワなどでコマ送りをはじめとするさまざまなエフェクトを適用できる「GT-MangaTransition」も近日公開予定としている同社、こちらも今後の動きが注目される技術だ。

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