コンテンツ上で血の通ったコミュニケーションを実現する――これも、ニコニコ的文化の「真骨頂」(伴氏)だ。ニコニコ動画がそうであるように、ニコニコ静画(電子書籍)でもおなじみのコメント機能が楽しめる。こうした電子ならではの機能を磨いてこそ、電子書籍に「付加価値」が生まれるという思いもあるという。「電子書籍の商品価値は、現状だと危ういなと思っています。置き場に困らないといった面はありますが、それ以外の電子化されているメリットが少ないと感じる」(伴氏)。
ただ、ニコニコ静画(電子書籍)のコメント機能について伴氏は「イケてない」という認識だ。「ニコニコのユーザーが受け入れやすい機能としてまずはコメント機能を導入してみました。書きこんでくれる人もいますし遊び方もいろいろあるのですが、動画や生放送のように自動的にコメント職人が生まれてどんどん面白い使い方が生まれるスパイラルに、まだなっていない」(伴氏)
現場では、次のニコニコらしさの模索が始まっている。伴氏は、「ネットでつながっていて、他の人がいて、面白い」というニコニコらしさを「これまでの動画のロジックにとらわれず、自由に発想したい」と意気込む。「例えばですが、音を使ってみるとか。電子書籍だと耳が余っているので」(伴氏)。
「ソーシャルリーディングというとカッコ良すぎてあまり言いたくないのですが、みんなで本を読んでいる感覚をどうにかして表現したい。もちろんエンターテインメントなので、汎用性があって単純なもので。今後もちょいちょい、実験的な機能を試していきたいです」(伴氏)
3万冊を扱う“本屋”になった「ニコニコ静画(電子書籍)」を使ってみた
見せてもらおうか、ニコニコで読める電子書籍3万冊の内訳とやらを
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