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» 2012年12月28日 11時52分 公開

恋と笑いの最先端:この冬、この漫画であったまろう! 今をときめくラブコメ漫画10選 (2/5)

[漣,ITmedia]

姉? 恋人? だって、好きなんだ!――『ライアー×ライアー』(金田一蓮十郎)

photo 『ライアー×ライアー』1巻(作:金田一蓮十郎)

 コスプレは別の自分になりきって楽しむもの。じゃあ、コスプレ中の自分に恋人ができたらどうしよう? しかも相手が、自分と血の繋がらない弟だったりしたら……。本作『ライアー×ライアー』は、そんなめんどくさ〜い状況に陥った女子大生のお話です。気まぐれで女子高生に変装した主人公・湊が、その正体を知らない弟・透に思いを寄せられてしまうという、風変わりな恋愛模様が描かれます。

 湊は、女子高生の格好で「みな」と名乗り透と付き合う。ところが、湊として気になる男に出会い、なんと2つの恋愛を同時進行。すごい悪女っぷりですが、彼女なりの苦悩と悩み抜いての決断がしっかり描かれるため、不快感はありません。そして誠実であろうとするために、湊は悩み続けます。といっても、暗い雰囲気ばかりではなくて、好きな人と触れ合う幸福を初々しく味わう湊がかわいらしく描かれています。

 まあしかし、みな(湊)と透の関係は、見ていてとてもドキドキしますね。透はそうとは知らないけれど、「姉弟だから」と踏み込みすぎないようにギリギリで粘っている湊がたまりません。血は繋がっていないと言っても、禁忌的な香り……。恋人としての段階はどんどん踏んでいきますが、致命的な一線は超えない。思わず「焦れったい!」と叫びたくなります。そこがまた、面白さを加速させているんですけどね。

 話数を重ねるごとに展開は甘味をましていき、3巻なんかは悶絶しながら読みました。姉弟ラブコメ模様はますます迷走します。この気持ちは、家族への思いやり? それとも本当の恋? みなではなく、湊としての気持ちはどう? 質が違ったはずの愛情がごっちゃになって、恋する乙女に染まり上がっていく! これからも目が離せません。

ヒロイン分裂ラブバトル勃発! 『ウワガキ』(八十八良)

photo 『ウワガキ』(作:八十八良)

 2012年11月に完結したばかりの『ウワガキ』。これがまた素晴らしい結末を迎えたのです! 全4冊と手に取りやすいボリュームなので、今まで知らなかった人も4冊一気に読んでもらいたいなと!

 この作品で行われるのは、とある実験。1人の女の子を2人に分裂させる。彼氏がいるA(オリジナル)と、Aから彼氏にまつわる情報を全てなくしたB(いわば彼氏なしのA)。そして半年後、男性に対する"好きな気持ち”が小さい方が、大きい方にウワガキされてしまうというものです。存在も恋心も、ウワガキされたらなくなってしまう!

 オリジナルが千秋、コピーが小秋。2人は別々の男と"好き”を育んで戦う……と物語が動きだすや、オリジナルの千秋が彼氏にフラれてしまう波乱の幕開け。いったいどうなるんだ!? ドキドキしたままラストまで駆け抜けます。

 そもそもこの実験のきっかけを作るのは、千秋に思いを寄せる男の子・アジオ。彼氏がいる千秋と恋仲になれないアジオは、小秋と恋を育みます。そんな中で、ちょっと情けなかった彼が成長していくのも、本作の大きな見どころですね。アジオが男を上げることで、心荒ぶらせるラブコメ展開がますます加速していくんです。

 全4巻という尺の中で、やるべきことを全てやって、素敵なエンディングを迎える。この構成はお見事というしかありません。物語にダレる箇所がなく、常に引き込まれ続けました。また、恋心の強さを競うこの漫画は、だからこそ丹念に恋心の動きを追っています。そのため、SFな設定こそあれど、シリアスなシーンやドラマティックなシーンにリアリティがあるんです。

 新しい恋愛漫画の傑作として、ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品。読み終わった後、清々しい余韻にひたれることと思います。

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