スキャン代行サービスを手掛けるブックスキャンが、蔵書の電子化における適切なルール作りを目的に、複数の業者とともに業界団体を立ち上げた。Myブック変換協議会などとも協議していくという。
ブックスキャンは5月15日、蔵書の電子化を行うための環境づくりを目指す団体「日本蔵書電子化事業者協会」(仮称)の設立準備会を発足した。
蔵書の電子化をユーザーに代わって行うスキャン代行サービスは、業種として過渡期に来ている。ユーザーからの強い人気に支えられ業者の数はここ数年で大きく増えたが、著作権者や出版社からの反発もあり、裁判も進行中だ。
権利者側では3月に蔵書電子化事業連絡協議会(Myブック変換協議会)を設立。蔵書の電子化におけるルールの策定と許諾スキームの推進を目的に活動しているが、今回のようにスキャン代行業者からの明確なアクションがないまま、5月には、スキャン代行を装い、いわゆる海賊版を違法に販売していた業者の運営者が逮捕されており、一定のルールを設けていくべきだという共通認識が業界には高まってきていた。
そんな中設立された日本蔵書電子化事業者協会(英語名:Japan BookDigitization Carriers Association:JABDA)は、スキャン代行をユーザーが安心して利用できるような業態にしていこうとする業界団体といえる。ブックスキャンが中心となって立ち上げており、「山セ」「FIVE GIVES」「SGI システム」が現在までに参画、業界ルールの策定やその推進を活動として掲げている。Myブック変換協議会などとの協議を進めることも触れられている。
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