出版業界ニュースフラッシュ 2013年6月第1週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。6月第1週は、トーハンの決算発表のほか、日販・トーハンの上半期ベストセラーが発表されています。

» 2013年06月10日 16時30分 公開
[新文化通信社]
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トーハン決算、減収増益に

 6月7日、第66期(平成24年4月1日〜同25年3月31日)決算を発表し、売上高4912億9700万円(前期比2.6%減)、営業利益54億5100万円(同±0%)、経常利益33億1200万円(同0.5%増)、当期純利益24億0700万円(同54.1%増)。7期連続の減収も、2期ぶりに増益へ転じた。

 売上高の内訳は、書籍が1920億9300万円(同4.9%減)、雑誌が2577億9100万円(同5.1%減)、マルチメディア商品が414億1200万円(同36.2%増)。返品率は順に40.0%、39.0%、15.1%で、合計37.9%(同0.6%増)。

 子会社19社を含む連結決算は、売上高5034億8400万円(同2.2%減)、経常利益31億3200万円(同16.6%減)、当期純利益27億9500万円(同69.3%増)だった。

神保町に大活字本専門書店、11月開店へ

 6月1日、都内で行われた大活字文化普及シンポジウムで、大活字文化普及協会の柴田信理事(岩波ブックセンター/信山社)が明らかにした。栗田出版販売の児童書プロジェクトチームと協力し、神保町にある大活字の「誰でも読書館」をリニューアルする。店名は「Viva神保町」。11月に行われる神保町ブックフェスティバルに合わせ、オープンを目指す。市橋事務局長は「日本で出版されている大活字本をくまなく集めるので、見比べてもらいたい」と話している。

集英社、第85回「手塚賞」第78回「赤塚賞」贈呈式

6月3日、東京・日比谷の帝国ホテルで贈呈式を行った。両賞ともに入選作はなく、手塚賞の準入選が『No Woman,No Cry.』(皆川みくに)、赤塚賞が『みどりの犬』(奥間セイ)だった。佳作は手塚賞が5作、赤塚賞が2作。両賞の佳作は次の通り。

【手塚賞】=『グールーの住処』(古瀬経)、『バベル』(原作俺正讀、漫画魚生)、『ゲートキーパー』(水野匠)、『械人デストロイヤ』(萩原茘枝)、『come up smiling!』(小倉孝俊)

【赤塚賞】=『チョモランマ流空手教室』(平石ノボル)、『半見開き童話』(観寺風貴)

日販・トーハン、上半期ベストセラー「色彩を持たない〜」が1位

 両社は6月3日、2013年上半期(12年12月1日〜13年5月31日)のベストセラーを発表し、総合1位はともに村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)となった。同書は今年4月に刊行され、発売1週間でミリオンを達成。現在は9刷・105万部を発行している。2位はともに阿川佐和子『聞く力』(同)。

 以下、日販の3位は『とびだせどうぶつの森 かんぺきガイドブック』(エンターブレイン、トーハンは4位)、4位は近藤誠『医者に殺されない47の心得』(アスコム、同3位)、5位は『できる大人のモノの言い方大全』(青春出版社、同6位)。トーハンの5位は百田尚樹『海賊とよばれた男(上下)』(講談社、日販は10位)だった。

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