出版業界ニュースフラッシュ 2013年1月第2週

出版業界で起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。2012年末から2013年新春にかけての出来事をダイジェストでどうぞ。

» 2013年01月15日 17時17分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

講談社「ヤングマガジン」1月29日号、発売延期

 1月10日に、取次、書店、コンビニエンスストアに通知した。搬入した雑誌の回収作業を進める。

 同号は巻頭グラビアページに、2月4日発売を予定している、アイドルグループAKB48の河西智美さんの写真集から数枚のカットを掲載したが、その中に含まれている写真が「社会通念上望ましくない」として発売延期を決めた。同社広報室によると、「読者から抗議がきたわけではなく、会社としての自主的な判断」という。改めて、1月21日に発売する。

 同誌の現在の発行部数は67万部。

トーハン、年末年始の調査店動向は0.9%減

 1月8日開催の新春の会の席上、藤井武彦社長が報告。POS調査店1571店の動向は2012年12月29日から31日が1.1%増、2013年1月1日から3日が3.5%減となり、トータルでは0.9%減と前年同期をクリアできなかった。

 藤井社長は電子書籍の書店販売施策や責任仕入による書店のマージンアップ、外商施策の強化、複合化による収益構造の改善など書店の支援策に言及した。紀伊國屋書店の高井昌史社長は取次会社のシェア争いや書店の系列化を「新たな心配」と表現。新商品開発のためにも「新規版元を産み育ててほしい」と要望。「若いひとが希望をもてる業界に」と決意を新たにした。乾杯で講談社の野間省伸社長はトーハンの意思決定がスピードアップしていると評価し、「より一層のリーダーシップを」とエールとともに盃をあげた。

日販、年末年始の調査店販売動向は1.9%増に

 1月8日、「新春を祝う会」を行い、古屋文明社長が報告した。2012年12月29日から2013年1月3日の6日間、1722店の売り上げを調査した。「書籍」は前年比1.9%減、「雑誌」は同6.0%増、合計1.9%増と好調だった。雑誌では、「コミック」が同16.8%増、「ムック」が同3.5%増となり、全体を牽引した。

 古屋社長は、573店で実施した店頭キャンペーン「祭」の成果を述べながら、(1)不稼働在庫40%を20%に、(2)基本在庫の充足率向上、(3)送品比率の適正化の3施策を掲げた。有隣堂の松信裕社長は、年末年始の自社32店舗の大半が前年実績を上回ったと伝えながら、「販売網を弱体化させた業界に進化はない」とリアル書店の重要性を訴えた。学研マーケティングの上野雅道社長が乾杯の発声を行った。

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