出版業界ニュースフラッシュ 2012年5月第3週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。双葉社の「女子による女子のための女子文庫フェア」、日書連が公取委に提出した大手取次2社の不当な取引制限について注目が集まっています。

» 2012年05月22日 15時30分 公開
[新文化通信社]
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日書連、「大手取次2社の不当な取引制限」の申告を公取委に提出

 5月14日、日販、トーハンの取次会社2社が返品入帳に関して優越的な地位を濫用して不当な取引制限を行っているとし、公正取引委員会の審査部に申告した。日書連の取引改善委員会の柴粼繁委員長(東京・王様書房)と同委員会の元永剛顧問らが出向き、文書を提出。公取委の広報担当者によると、審査の結果は半年から1年で出されるという。

 日書連は2011年10月、日販、トーハンに対し、同日精算を求める要望書を提出。それに対し2012年2月末、同日精算の対応について取次2社がゼロ回答だったため、今回の措置をとった。柴粼委員長は「返品は、書店が仕入れをコントロールするための唯一の手段。返品を月末まで取次が受け入れないのは、その手段を奪い取る行為」と話している。

双葉社、「女子による女子のための女子文庫フェア」1000店へ

 女性作家の双葉文庫をセレクトした同フェアに約400書店から注文が寄せられている。5月末までに1000店舗の受注を目指す。締切は5月末、取次搬入は6月12日。昨夏、さわや書店フェザン店で行い、好調だったことから全国展開する。

 入社3年目の富岡佳子氏(営業局第2営業部)が企画、自ら全10点のPOPを描いて配布する。オリジナル帯付き。

講談社、第58回「江戸川乱歩賞」を決定

 5月14日、今年度の「江戸川乱歩賞」の選考会を開催。受賞作に高野史緒氏「カラマーゾフの兄妹」を選出した。贈賞式は9月13日午後6時、東京・丸の内の帝国ホテルで行う。受賞作は8月上旬、同社より刊行される。

WAVE出版、元岩崎書店の3氏を招聘し児童書参入へ

 WAVE出版は創業25周年を記念し、新規事業として児童書部門を立ち上げる。2月に岩崎書店を退任、退職した黒田丈二氏(元社長)、津久井惠氏(元常務・編集部長)、今西榮一氏(元取締役・営業部長)を相談役として招聘した。

 同社では今後、児童書を月1〜2点のペースで刊行していく。

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