出版業界ニュースフラッシュ 2012年4月第3週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。一週間のいいとこ取りです。

» 2012年04月23日 18時30分 公開
[新文化通信社]
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日経BP社、減収増益の決算

 4月20日、第44期(H23.1.1〜同12.31)の決算概況を発表した。

 売上高は387億円(前期比4.5%減)、営業利益は15億円(同13.8%増)、経常利益は18億円(同12.5%増)。売上高の内訳は「広告」155億円(同5.1%減)、「販売」212億円(同4.1%減)、「その他」20億円(同2.6%減)。

講談社とタニタが共同プロジェクト

 行き過ぎた「やせ願望」が浸透している若い女性に、健康的な食べ方や運動の仕方をサポートする「美人の習慣プロジェクト」を両社で推進する。4月17日、その第1弾として『タニタとつくる美人の習慣』(本体952円)を刊行。夏以降、2社共同で開発するアプリやWebサイトを展開する。

講談社、中国で5月にマンガ雑誌創刊へ

 昨年9月、中国の広西出版伝媒集団有限公司と設立した現地法人が5月25日、月刊マンガ誌「勁漫画」(ジン・マン・フア)を創刊する。毎月25日発売、オールカラー・120ページ・A4変型。価格は8元(約100円)。

 テーマは「愉快と爽快と感動」。10歳以上の男性を中心読者層に据え、中国作家のオリジナル作品を掲載していく。4ページ分を1ページに縮小して印刷する方式のため、実質的に300ページ相当のボリュームになるという。

双葉社、中国の「クレヨンしんちゃん」訴訟で勝訴(4/18)

 中国の上海市第一中級人民法院は「『クレヨンしんちゃん』の漫画イメージは原作者・臼井儀人によって完成された創作であり、わが国著作権法で保護されるべき芸術作品」(判決日=3月23日)などと中国企業の著作権違反を認定。損害賠償25万元(日本円約330万円)などの支払いを命じた。

 双葉社は「登録から5年を経過した不正登録商標の無効が認められたことは、画期的な判決」と評価。裁判は中国企業が無断で「クレヨンしんちゃん」の図形および「蝋筆小新」(クレヨンしんちゃんを示す中国語)を付けた子ども靴などを無断で販売した行為に対し、同社が2004年8月に上海市第一中級人民法院に提訴していた。しかし、著作権と商標権の抵触について中国側の司法解釈が錯綜、審理中断後、却下された。最高人民法院に再審請求した結果、08年11月に差し戻し判決が下り、上海市第一中級人民法院で11年9月に審理再開され、今年2月15日に口頭審理が行われた。

「集めたくなるしおり」、ブックユニオンが配布へ

 音楽書籍専門店「ブックユニオン」はこのほど、手塚治虫、井筒啓之、宇野亜喜良などの人気漫画家・イラストレーター作の栞の配布を開始した。収集物としての栞の価値をアピールする。都内にある「ブックユニオン」全4店舗で、書籍・雑誌を1000円以上の購入につきしおり1枚が進呈される。来年3月まで、毎月異なる6種類の栞を作成。栞の専用ケースも販売している。

4月配布分の6枚のしおり(写真=左)/しおりの専用ケースも販売する(写真=右)

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