出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。先週は、集英社や光文社の決算発表、an・an完売店続出などが話題となりました。そのほかのニュースダイジェストと合わせてどうぞ。
8月31日、東京・JR東中野駅に直結するアトレヴィ3階に、「ブックストウキョウドウ」をブック&カフェ形式でオープンした。同形式での出店は3店目。総売場面積は106坪で、在庫は5万冊。
「作家の本棚」や、晶文社の希少本フェアなど、東京堂の持ち味を生かしながらも、幅広い層に訴求するためのラインアップを揃えている。斬新なフェア棚も取り入れた。店長は横沢由紀子氏。営業時間は午前10時から午後10時。
8月28日、株主総会と取締役会を行い、第71期(平成23年6月1日〜同24年5月31日)決算と役員人事を決めた。売上高1260億9400万円(前年比4.4%減)、営業利益25億6300万円(同63.1%減)、経常利益69億1500万円(同39.4%減)、当期純利益37億5100万円(同32.4%減)。
雑誌分野のコミックスが同11.7%減となり、全体に影響した。返品率も前年度より1.7ポイント悪化して22.0%になった。しかし、広告収入は同1.1%増と堅調。
役員人事は柳本重民、高梨雄二、鈴木晴彦の3氏が取締役に、石渡孝子、高森茂、茨木政彦の3氏が役員待遇に新任した。太田富雄、今薗憲一、館孝太郎の取締役3氏は退任し、それぞれ創美社の常務、千代田スタジオの常務、集英社インターナショナルの常務に就く。
8月24日、株主総会及び役員会を行い、第68期決算を確定した。売上高は246億3000万円(前年比5.6%増)、営業利益は15億6300万円(同1.0%増)、当期純利益は11億1800万円(同1.9%増)。
売上高の内訳は、「販売」が145億7200万円(同6.7%増)、「広告」が79億9900万円(同1.1%増)、「その他」(物販・版権収入など)が9億9300万円(同59.4%増)。「不動産等」10億6600万円(同6.4%減)。
販売では、特に「書籍」が13.9%増と伸長、「VERY」「STORY」「HERS」など女性ファッション誌も好調だった。
役員人事は全9人が再任。担務の変更もない。
「感じあう、SEX」を特集した8月10日発売の同22日号が好調な売行き。発行部数は同誌過去最多の80万部だったが、完売店が相次いでいる。マガジンハウスでは「実売60万部を超える勢い」とみている。書店からはいまも追加注文があるようだ。
8月29日、桜木紫乃氏『ラブレス』(新潮社)を「突然愛を伝えたくなる本大賞」に決めた。
同賞は、結婚情報誌「ゼクシィ」と本屋大賞実行委員会がコラボレートし、「本屋大賞」のスピンアウト企画として初めて実施。選考は「本屋大賞」と同じで、全国の書店員による投票からノミネート作品を選定し、さらに現役書店員による選考会を開いて大賞を決めた。投票は5月21日から6月20日に行われ、101人が参加。その後、現役書店員による選考会を開き、大賞を選出した。
『ラブレス』以外のノミネート作品は次の通り。
なお、選考会の模様は、8月23日発売の「ゼクシィ」(リクルート)と、同日付の本屋大賞のフリーペーパー「LOVE書店!」に掲載されている。
Copyright 2015 新文化通信社 All Rights Reserved.