出版業界ニュースフラッシュ 2012年7月第3週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。先週は第147回芥川賞・直木賞の発表などが話題になりました。

» 2012年07月23日 19時11分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

第147回芥川賞、鹿島田真希『冥土めぐり』、直木賞に辻村深月『鍵のない夢を見る』

会見にのぞんだ鹿島田さん(右)と辻村さん

 7月18日、東京・築地の新喜楽で芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が行われ、芥川賞に鹿島田真希さん『冥土めぐり』(河出書房新社)、直木賞に辻村深月『鍵のない夢を見る』が選ばれた。

 鹿島田さんは、1998年に文藝賞を受賞しデビューし、3度の候補を経ての受賞。三島由紀夫文学賞、野間文芸新人賞に続き、純文学系の新人賞3冠となった。受賞会見では、「苦節14年。ぜひこの作品で受賞したかった」と喜びをあらわした。辻村さんは2004年にデビューし、2度の候補を経て受賞。「これからも次の新刊が楽しみな作家になりたい」と抱負を語った。

 賞金は各100万円。贈呈式は8月中旬、都内で行われる。

雑協、日経の「週刊文春」広告拒否に抗議声明

 7月11発売の「週刊文春」が「日経新聞社長と美人デスクのただならぬ関係」と題する記事を掲載したところ、日経側は当該号の新聞広告すべての掲載を拒否。雑協の人権・言論特別委員会は7月17日、「日経新聞の強硬措置に強く抗議し、再びこうした事態を引き起こさない」ことを要求。声明では「言論機関としては異例な措置」と指摘し、新聞読者の情報アクセスの機会を失わせ、知る権利を一方的に奪い、「社会の公器を標榜する大新聞が自らを否定するもの」と厳しく批判した。

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