本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。連載13回目は特撮大好きメイドが新たに登場します。
街の片隅に、メイドの営む私設図書館がありました。そこには書架を守る司書メイドがいます。
ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。司書メイドの好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。
おやおや、今日はいつもと違うメイドのようですよ……?
ミソノさーん! 聞いてください!! 聞いてください!!
あらあら、フミカちゃん興奮した様子でどうしたの?
わたし、怪獣、特撮、SF、レトロフューチャーが大好きだと常々言ってきましたが、なんと先日『日本沈没』(映画、1973年版)の上映会に行ってきました(嬉泣)!!
ゴジラや東宝特撮など、たくさんの特撮技能監督をしてらっしゃる中野昭慶監督が、上映中ずーっとノンストップでオーディオコメントをしてくださるという豪華すぎる会で、わたし、興奮しながら観て参りました……! もうこの上映会があると知ってからずっと心待ちにしていたのですよ……! ちなみに今、米澤嘉博記念図書館では10月6日まで『日本沈没』展が開催されてますよ……! ミソノさん、ミソノさんも観に行きましょう!!
あらまあ、今、息継ぎもせずに話していましたよー。余程嬉しかったんですねー。うんうん、行きましょう!
はい! とっても幸せでした(嬉泣)!! 枕が長くなりましたが、今回そんな特撮大好きなわたしが紹介したいのはこちらの本! 『懐かしのヒーロー ウルトラマン特撮99の謎』です……!
あらあら、これはまたフミカちゃんがとても好きそうな本ですねー。
はい! 帯には“あの名場面にこの特撮テクSFXにかけた男たちの秘話”と書いてあります。どのように撮影していたかを皮切りに、撮影技術に留まらず、それら撮影・放送した背景や逸話が記されています。
この本、写真資料が豊富で、平均すると見開き一ページに一枚以上は資料写真が載っています。“新マン”ないし“ジャック”こと「帰ってきたウルトラマン」がマグネドンを持ち上げているシーン、足元に男性陣がこんなにたくさんいたなんて……!
フミカちゃんは、“特撮技術”そのものが好きなんですよね。
はい! そうなんです! 知性あふれる創意工夫と熱意により、作り物の小さな戦闘機が実物のような迫力をもって、あたかも本当に海の上を飛んでいるように撮影されることに人知の素晴らしさとロマン、未来への憧憬を感じます。「かっこいい!」って素直に思うんです。
作品そのものも、作品を作っている方々もなんてかっこいいのだろう、「わたしもこの作品の世界に行きたい」「わたしもこんな作品を撮りたい」という両方の思いが押し寄せます。
この本は1994年初版の本です。20年前の本ですが、今読んでも色褪せない“特撮”の素晴らしい技術を知ることができます。「そんな風に撮影するのか!」「この撮影方法にはそういう理由があるのか!」と納得し、自分で真似したくなります。
例えば、ウルトラマンというと、ウルトラマンのクロスした手から放たれる“スペシウム光線”という技を思い出す方もいらっしゃるかもしれません……。今でこそCGで光線を描いたりできますが、当時、円谷英二さんは、フィルムに直接手描きで光線を描いていたそうです! しかも、鉛筆で!
シンプルかつ大胆な手法にびっくりしました。でも、ちょっとやってみたいです……! 自分でやるとなると、重責にドキドキしそうですが、フィルムをカットしたり、手を加えるって憧れます。
この本は、特撮監督を目指している方に是非オススメです! 特撮の技術や、どうやって撮影されていたのかを知ると、一層見るのが楽しくなります。もっと特撮の技術について学んで、もっともっと特撮を楽しみたいです……! 精進致します!
創意と熱意と知性、そして工夫……素敵ですね!
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:12% レイラ:21% サヤ:17%
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