本屋探訪記:「古書信天翁」は下町にある秘密基地的古本屋さん

BOOKSHOP LOVER=本屋好きがお届けする詳細な本屋レポ。本屋が好きならここに行け! 今回は東京・日暮里にある「古書 信天翁」を紹介。

» 2014年09月01日 10時00分 公開
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 土日が晴れたのはいつぶりだろう。あまりの快晴に嬉しくなって谷根千に行くことにした。久しぶりの本屋探訪にウキウキしながら降りた駅は日暮里駅。

 道ばたでは露天商が野菜を売っていたり、カメラで撮りたくなる階段などを横目に歩いていくと谷中銀座の直前で一箱古本市のように古本が売られている。どうやら、お店は奥のビルの2階らしい。名前は「古書信天翁」。

 こしょしんて……? 助けてGoogle先生! とiPhoneで調べてみると……ふむ、ふむふむ。信に天に翁で……なるほど「あほうどり」か。というわけで今回の本屋探訪記は「古書 信天翁」(以下は2013年10月13日の記録だ)。

落ち着ける空間

 薄暗いビルの2階に上がると、雑誌や大判本が並ぶ本棚がまず視界に入る。狭いかと思えば奥にしっかりと空間があり突き当りには窓があり広がりが感じられる。BGMのジャズを聴きながら本棚を眺めていると何とも言えず落ち着いた。

 壁はすべて本棚で埋められ、中央にも棚が2つ。よく見ると本棚に囲まれた閉鎖空間もある様子。何が並べられているのか非常に気になる。

オールジャンルの品ぞろえ

 本棚を見て回ると文学からアート、映画、写真、デザイン、コミック、人文、さらに小出版社の新刊、zineと幅広い品ぞろえで、専門店のような敷居の高さがない。こういったところもこの落ち着ける雰囲気に関係しているのかもしれない。

古書信天翁で買って読みたい本6冊

 そんな品ぞろえの中から僕がピンときた6冊を以下に挙げる。この6冊から何となく古書信天翁の雰囲気がつかめると思う。

  • 『アメリカの鱒釣り』
  • 雑誌『ダイス』
  • 『野鳥の図鑑』
  • 『銀しゃり抄』
  • 『3月のライオン』
  • 『胞子文学名作選』

ワクワク本棚閉鎖空間

 店内には5本の本棚に囲まれた閉鎖空間がある。文庫、新書、雑誌、単行本といった構成だ。読みやすいサイズの本が欲しければとりあけずここに行けば良いわけだ。

 ちなみにこの空間の入口側には200円均一の棚もある。店舗に入って真っ直ぐ行くと見つかる場所に買いやすいものを配置しているわけだ。考えてるなあ。

秘密基地的古本屋さん

 谷中銀座のすぐ手前という立地にあって、静かだけども暗すぎないその雰囲気。それでいて外さない品ぞろえとBGM。これでコーヒーなんて出して頂けたら長居すること間違いないだろう。

 このワクワクする感じ。そう、ここは小さいころに潜んだあの秘密基地みたいなのだ。だからこそあえて行くのならひとりで静かに楽しみたい古本屋さんだと僕は思ったのである。

著者プロフィール:wakkyhr

本屋開業を目指す本屋好きサラリーマン。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。同名のネット古本屋も営み、「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。理想の本屋さんを開くべく本の世界で縦横無尽に活動中。好きな作家はクラフト・エヴィング商会。一番好きな本屋は秘密。

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