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» 2015年05月29日 09時00分 公開

電子書店完全ガイド:「eBookJapan」を徹底解剖する (2/4)

[鷹野 凌,eBook USER]

探しやすさ

 続いて、探しやすさの検証です。

 eBookJapanで本を探す方法には、PC WebとモバイルWeb(URLはPCと同じ)があります。各デバイス向けのアプリ(『ebiReader』『ebiReaderHD』『ebi.BookReader』)にはストア機能が搭載されていないので、いずれの場合もブラウザでWebサイトにアクセスして探す形になります。

PC Webから探す場合

 リニューアル前の書影画像は一覧画面で82×116ピクセルでしたが、リニューアル後は141×200ピクセルと、かなり大きく表示されるようになりました。デザインも以前のごちゃっとした雰囲気から、モダンですっきりしたものに変わっています。一応、現時点でも「以前のサイトを利用する」リンクから、旧サイトを利用することも可能になっています。


リニューアル後のトップページ リニューアル後のトップページ
旧サイトのトップページ 旧サイトのトップページ

 キーワード検索の入力欄はサイトの最上部へ移動し、枠が縁取られ大きく目立つようになりました。キーワード入力時のサジェスト機能や、サジェストされた候補にマウスカーソルを重ねると作品名と書影によるリコメンドが表示される機能はリニューアル以前から変わらず用意されています。

 キーワード検索結果からの絞り込みや並び替え機能などは、すべて右側にまとめられました。旧サイトでは左側と上部に分割して配置されていたので、慣れていた方が一番戸惑う部分かもしれません。


サジェスト機能と候補からのリコメンド サジェスト機能と候補からのリコメンド
検索結果の絞り込みと並べ替え機能はすべて右側へ移動 検索結果の絞り込みと並べ替え機能はすべて右側へ移動

 また、レビュー時点ではキーワード検索結果の「カテゴリで絞込む」に旧サイトのカテゴリ名称が表示され、上部タブに表記されているカテゴリ名称と齟齬(そご)があります。例えば「文芸」「ビジネス」「趣味・実用」「学術」などが「総合図書」の下層にあるのは、旧サイトに慣れ親しんだ方でないと分かりづらいことでしょう。

 出版社や著者などの絞り込み候補は、旧サイトでは上位候補が数件は初めから表示されていたのが、リニューアル後はプルダウンに格納されました。キーワード検索結果のプルダウンを開くと上位候補が数件だけ表示されるため、「プルダウンを開く」操作が以前より1回余計に必要で、「もっと表示」から全候補を表示した方が楽、という状態になっています。


上部タブに「総合図書」というカテゴリは存在しない 上部タブに「総合図書」というカテゴリは存在しない
一部しか表示されない絞り込みプルダウンを使うより、「もっと表示」から全候補を表示した方がラク 一部しか表示されない絞り込みプルダウンを使うより、「もっと表示」から全候補を表示した方がラク

 このほか、旧サイトではキーワード検索の結果からすぐに「立読」や「購入」が選択できたのが、「詳細はこちら」を開いて遷移する形に変わりました。ジャンル一覧などからたどっていった場合は以前と同じように「立読」「カゴに追加」が可能なので、キーワード検索経由だと少々煩わしい遷移となっています。インターネット常時接続環境であれば未ログイン状態でもブラウザ上で即座に立ち読みできるので、ここでひと手間多いのはもったいない気がします。

 また、「詳細表示」への切り替え機能や、「チェックしたものを買いものカゴに入れる」機能や全選択・全解除、タイトル別の検索結果といった機能も省かれています。キーワード検索の結果にはポイントが表示されなくなったことや、価格表示が前回調査時は税込だったのが現在は税別に変わっています(恐らくこれは、消費税率が5%から8%に変わったときからでしょう)。

 eBookJapanのWebサイトで特徴的だった中吊り広告風の大きなバナーは、新サイトのトップページおよびカテゴリ別のトップページには表示されますが、掲載誌別、著者別、作品別ページのバナーはごく一部だけになってしまったようです。[中吊りギャラリー]も旧サイトには過去ログが2015年2月まで残っていますが、新サイトのログは見つけられませんでした。掲載誌別、著者別、作品別のバナーは、eBookJapanが書店としてプッシュしていることが強く感じられる施策だっただけに、大きな個性を失ってしまった感があります。

 このように細かくチェックすると、旧サイトではできていた(見えていた)ことが、新サイトではできなく(見えなく)なったり、たどり着くためひと手順余計に必要だったりしています。一般に、慣れ親しんだインタフェースが急に変化すると「使いづらい」と感じるものですが、これは単純な慣れの問題ではないでしょう。旧サイトを使えるまま残しているのも、不満の声が大きいからだと推測できます。デザインリニューアルと機能面の調和が図れていないように映ることは厳しいようですが、減点としました(☆-0.5)。


作品詳細画面は以前より情報量が増えている 作品詳細画面は以前より情報量が増えている
書影がこのサイズで拡大できるのは嬉しい 書影がこのサイズで拡大できるのは嬉しい

『聲の形(1)』大今良時/講談社

 作品詳細画面の書誌情報は、書影・タイトル・シリーズ名・著者名・原作者・キャラクターデザイン(イラスト)・出版社・レーベル名・関連ジャンル・作品解説文・ユーザーレビューや評価点・対応デバイス・コンテンツタイプ(リフロー型/画像型)・ファイルサイズ・ページ数(画像型のみ)・立ち読みページ数(画像型のみ)・eBookJapanでの発売日などです。書影が拡大できるようになった点と、発売日情報が追加されたのは嬉しいところです。また、紙の本と同時発売の作品には、新着時に「紙と同時」というアイコンも表示されるようになりました。

 従来の作品詳細画面では、利用可能端末の一覧や、「この商品は紙書籍ではありません。すぐにご覧いただける電子書籍です」といった全般的な注意書きが真っ先に表示されていました。新サイトでは書影・タイトル・著者名・金額・レビュー評価点・立ち読みやカゴへ追加といった、作品そのものに関する情報や購入ボタンなどが優先的にファーストビューで表示されるようになっています。これは良い悪いではなく、恐らく電子書籍が普及していく過程で、「紙書籍ではありません」といった初歩的な注意書きを必要とするユーザーが減ったことを意味するのでしょう。


旧サイトでは最上部にあった注意書きが、最下部へ移動している 旧サイトでは最上部にあった注意書きが、最下部へ移動している
ユーザーのレビュー以外に、スペシャルレビュー・書店員のレビューも ユーザーのレビュー以外に、スペシャルレビュー・書店員のレビューも

 ユーザーレビューや評価点機能には、「お気に入りレビュアー登録」機能が追加されました。「××さんのお気に入りレビュアー」や「××さんをお気に入り登録しているレビュアー」の人数と、参考になった総数がレビュアーごとに見ることができ、レビューの信頼性を確認できます。ただし現状、自分がお気に入りに登録したレビュアー一覧の確認や、それを解除する方法が用意されていません。今後の対応が待たれます。

モバイルWebから探す場合

 モバイルWebもPC Webと同様、リニューアルされています。モバイル向けのレイアウトですが、情報量も機能もPC版とほとんど変わりません。キーワード検索でのサジェスト機能も効くようになっています。ただ、検索結果一覧のファーストビューで、絞り込み条件しか見えない状態になるのは少し驚かされました。iPhone 5sで2画面分ほど下へスクロールして初めて検索結果が見えるというのは、あまり他では見かけないレイアウトです。


モバイルWebのトップページ モバイルWebのトップページ
左上のアイコンをタップでPC Web左カラムと同じメニューが開く 左上のアイコンをタップでPC Web左カラムと同じメニューが開く
モバイルでもサジェスト機能が効くようになった モバイルでもサジェスト機能が効くようになった

検索結果一覧のファーストビューは絞り込み条件しか見えない 検索結果一覧のファーストビューは絞り込み条件しか見えない
2画面分ほど下へスクロールするとようやく検索結果が見える 2画面分ほど下へスクロールするとようやく検索結果が見える
検索結果最下部に、絞り込み条件へ戻るボタンはあるが…… 検索結果最下部に、絞り込み条件へ戻るボタンはあるが……

モバイルの作品詳細画面 モバイルの作品詳細画面
情報量はPC Webと変わらない 情報量はPC Webと変わらない
レビューやレコメンドもPC Webと同様だ レビューやレコメンドもPC Webと同様だ

評点:☆2.5

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