出版流通イノベーションジャパンが新物流構想などを発表したことが話題に。
紀伊國屋書店と大日本印刷(DNP)の共同出資で4月1日に設立した出版流通イノベーションジャパン(PMIJ)。同社の高井昌史氏社長が7月1日、今後の事業方針について講演会を行った。
高井社長は「返品率の改善を目指してパターン配本に依存しない配本適正化に取り組む」として、出版社と、紀伊國屋書店、DNPグループ書店との直接取引を拡大する考えを示した。一定枠内の返品許諾や時限再販を前提に、買切り条件で希望通りの配本を受けられる仕組みを構築する。
また、紀伊國屋書店とDNPが保有する流通倉庫を活用し、在庫分の消化や補充注文管理、店舗間の在庫偏在を補正する新たな流通体制の構築についても言及。ただし、新刊配本などは従来通り取次流通を活用し、独自流通についても取次会社と話し合っていく考えを示した。
また、紀伊國屋書店のKinoppyとDNPのhontoの統合、それぞれが展開しているポイントサービスの一本化など、電子事業にも着手する。これらは他書店も利用できるスキームを目指すという。そのほか、海外事業展開、書店とネット書店の連携によるサービス向上などについても報告した。
日販コンピュータテクノロジイは、世界初の感情認識ロボット「Pepper」を使って読書推進やイベントを図れないかを模索している。書店での読者サービスで活用することを視野に入れ、東京国際ブックフェア(TIBF)会場で来場者向けデモンストレーションを行った。
音声に感情が入らないため読み聞かせのサポート役として、また、読者の読みたい本を探すコンシェルジュのような役割をプログラミングして、書店にPepperをレンタルする計画がある。
TIBF会場では、コミュニケーションをとろうと子どもや大人がPepperに触れたり話しかけたりして、同社ブース前には人があふれ、注目を集めた。
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