NRI、電子書籍コンテンツの市場規模を2015年で2400億円と予測
野村総合研究所の予測によると、国内の電子書籍市場はハード、コンテンツともに高い成長率で推移し、2015年末には2400億円規模のコンテンツ市場を形成するという。
2015年末には1400万台の端末が出荷され、コンテンツの市場は約5800億円に
野村総合研究所(NRI)は12月20日、2015年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模予測について予測結果を発表した。17日にはブロードバンド関連サービス市場と放送メディア市場について予測結果を発表しているが、この日はネットビジネス市場(6分野)、モバイル市場(4分野)、ハード市場(8分野)についての予測結果を発表している。
このレポートの中では、電子書籍市場についても触れられている。2010年に日本国内でも市場が立ち上がった電子書籍の端末市場は、2010年度末までの累計販売台数が78万台であるのに対し、2011年度末には約3.8倍の280万台に、2015年末には1400万台の規模になると予測している。
一方、電子書籍のコンテンツ市場も順調に増加し、2010年度の850億円市場が、約23%のCAGR(年平均成長率)で成長を続け、2015年度には2400億円に達する見込みであるとしている。このコンテンツ市場のCAGRはレポート内で触れられているほかの市場の成長率を大きく引き離している(次点はサービスロボットの市場でCAGR21%だが、2015年度における同市場の規模は182億円程度)。ちなみに、矢野経済研究所は、同市場の規模は2010年度で670億円と予測している。
ちなみに、電子書籍の配信とよく比較される音楽配信の市場予測についても触れられている。同市場は、2010年度で約644億円の規模であり、それが2015年度には1020億円(CAGRは9.6%)に達すると予測している。電子書籍のコンテンツ市場と比べると、現時点でも、成長率も、そして2015年度の市場規模でも大きく水をあけられているといえる。
関連記事
- 電子書籍元年は真実か? データで裏付けられた電子書籍市場の現在
矢野経済研究所がまとめた「電子書籍市場に関する調査結果」で、2009年度の国内電子書籍市場規模は前年度比で119.6%の610億円となった。電子書籍元年と呼ばれることもある2010年度については、前年度比109.8%の670億円程度に落ち着く見込み。 - 2008年の電子書籍市場、355億円規模に──約7割を占めるケータイ向け書籍が牽引
- 携帯向け電子書籍は女性に人気、年齢が低いほど満足度高く
ネットエイジアが携帯向け電子書籍の利用動向に関する調査結果を発表。女子高生の利用経験率が高く、年齢が低いほど満足度が高い傾向が見られる。 - 拡大する電子書籍市場、コミック市場は190億円規模に──シード・プランニング調べ
シード・プランニングがコミック配信ビジネスに関する市場動向の調査研究レポートを発表。コミック配信は携帯が市場を牽引し、市場規模は200億円に迫る勢いだ。 - 携帯コミック、女子中高生の約3割が「読んだことがある」
メディアシークが女子中高生などの女性層を対象に行った、コミックに関するアンケート調査の結果を発表。6割が「漫画を読むのが好き」と回答し、携帯の電子コミックを読んだことがあると答えたのは約3割だった。 - 携帯コミックを読む理由、“懐かしいから”が最多──KLab調べ
KLabが携帯コミックに関するアンケート結果を発表。携帯コミックを利用した理由は「懐かしい作品を読みたかった」がトップとなった。 - 携帯で読むのは、小説よりマンガが多数派──MMD研究所調べ
MMD研究所が「携帯電子書籍サイトに関する利用動向調査」の結果を発表した。電子書籍を「携帯電話でのみ利用したことがある」と答えたのは38.8%。携帯で利用した人の98.2%がパケット定額に加入している。 - 「電子書籍・コミック」のダウンロード、約4割が経験あり──インフォプラント調べ
インフォプラントが、「電子書籍・コミック」に関する調査結果を発表。約4割が、電子書籍や電子コミックをダウンロードしたことがあると回答している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.