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岩波書店、原子力関連の一部論文をPDFで無料公開
岩波書店は、福島原発事故や原子力政策を考える上で参考になればという思いから、同社刊行の雑誌「世界」「科学」に掲載された一部論文を、当面の間無料で公開する。
岩波書店は3月28日、福島原発事故や原子力政策を考える上で参考になればという思いから、同社刊行の雑誌「世界」「科学」に掲載された一部論文を、著作者の了解の下、当面の間、無料公開することを発表した。
公開されたのは、「世界」2011年1月号の特集「原子力復興という危険な夢」から3本と、「科学」から2本。いずれもPDFで無料公開されている。
- 「原子力のたそがれ──米・仏・独のエネルギー政策分析から浮かび上がる再生可能エネルギーの優位性」(マイケル・シュナイダー/田窪雅文訳)
- 「原発輸出──これだけのリスク」(明石昇二郎)
- 「原発頼みは一炊の夢か──福島県双葉町が陥った財政難」(葉上太郎)
- 「動燃東海事故による放射性セシウムの関東平野への広がり」(青山道夫・大原利眞・小村和久、1999年1月号)
- 「原発震災──破滅を避けるために」(石橋克彦、1997年10月号)
岩波書店代表取締役社長の山口昭男氏は、「被災地の方々がいま必要とされているものは何か、復興に向けて協力できることは何か――岩波書店は、出版社としてできる限りのことを追求したいと考えています。そして、日本社会の復興、再建に向けて、全力を尽くす決意です」とコメントしている。
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