Kobo、日本で電子書籍を販売へ
楽天が買収し、7月にも本格的な日本進出が予定されているカナダのKobo。消費税が掛からない海外拠点からの電子書籍配信によって、価格面でも差別化を図る。
カナダのKoboは楽天との提携関係を利用し、間もなく日本での電子書籍販売を開始する。両企業は電子コンテンツの販売で魅力的な日本市場に食い込み、税制の抜け穴を利用して多額の節税を行うだろう。
電子書籍の販売はカナダで発生するので、日本での税率は確実に低い。電子書籍は輸出と見なされるため、通常5%の消費税が課税されない。カナダの消費税率は今年末までに15%に上がるので、これは節税と低価格での書籍提供という観点で抜け目のないやり方だ。
多くの企業がそれほど税金がかからない国々や米国に本社を構えるか、もしくはそれらの国々から電子書籍を販売してきた。例えばAmazon.comは、コンテンツにかかる高税率の付加価値税(日本でいう消費税)を回避するため、昨年12月にルクセンブルクに電子書籍の流通センターを開設している。ルクセンブルクでは電子書籍にかかる付加価値税率が3%と低く、例えば英国に居住しているユーザーがAmazonから電子書籍コンテンツを購入しようとする場合、課税される付加価値税は(EU加盟国の標準的な税率である)20%ではなく3%となる。Koboはそれと同様の節税を行い、最終的に顧客はより低価格で書籍を購入できる。
日本市場に積極的に攻勢をかける幾つかのグローバル企業にとって、この市場は利益を上げるのに十分に成熟している。ソニーは新聞社、出版社と主要な提携関係を締結後、2010年11月に「PRS-650」を、2011年10月には「PRS-T1」の販売を開始した。その後、同社の電子書籍リーダーの販売数は約30万台に留まっている。タブレットとiPadの台頭は同社のマーケットシェアに影響を与えているが、新聞、コミック、グラフィックノベル、書籍に取りつかれている市場でうまく舵取りをする余地はまだ存在する。
楽天は電子流通と電子商取引について知り尽くした日本企業だ。同社は現在、電子商取引で世界第3位で、Buy.comといった有名なWebサイトを所有している。Koboは国際展開に集中しており、アジア市場への本格的な進出はまず日本からはじまる。
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