10月24日、広島県福山市が主催する長編推理小説を対象とした公募型新人賞 第7回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の選考結果が発表され、神谷一心さんの『たとえ世界に背いても』が受賞した。優秀作は、金澤マリコさんの『ベンヤミン院長の古文書』。
同賞では、福山市出身の推理作家・島田荘司さんが選考委員を務めており、最終選考は島田さん1人によって行われる。募集作品のジャンルは本格ミステリー。本格ミステリーとは、「事件解決の手がかりを作中に記すこと」「地の文章に虚偽を書かないこと」などが求められるミステリーの一ジャンルで、欧米ではパズラー、フーダニットなどとも呼ばれる。
過去の受賞作には、松本寛大さんの『玻璃の家』(第1回)、知念実希人さんの『誰がための刃 レゾンデートル(『レゾン・デートル』から改題)』(第4回)、高林さわさんの『バイリンガル』(第5回)などがある。
正賞はトロフィー、副賞は作品の出版とその印税、福山市の特産品となっている。受賞作は2015年春、講談社からの出版を予定している。
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