エンタープライズ:トピックス 2002年5月20日更新

ノベル,プロビジョニングの実現に向け新製品群をリリース

 ノベルは5月20日,ディレクトリ製品「Novell eDirectory」をはじめとする同社製品群を一新した。先週行われた戦略発表会で強調した「プロビジョニング」の実現に向け,具体的な製品群を提供していく。

 このたび発表された製品は4つある。このうち,ディレクトリサービスの新バージョンである「Novell eDirectory 8.6」は,ユーザーや各種リソースの情報を格納・管理するレポジトリであり,一連のネットサービスのアイデンティティ・インフラとなる製品だ。

 新バージョンでは,データベース容量が8TBに拡大され,よりきめ細かなユーザー属性情報を格納できるようになった。また,属性に応じて動的にユーザーをグループ分けする「ダイナミックグループ機能」などが追加されている。

 ノベルはさらに,このeDirecroty 8.6と連携し,セキュリティとパーソナライズというニーズを満たす3つの製品を発表している。

 まず「Novell iChain 2.0」は,認証とシングルサインオン,プロキシ,SSLアクセラレーションやユーザー単位のアクセス制御・管理といった多様な機能を提供する,サーバ向けのWebセキュリティソフトウェア。これを利用することで,企業内部の従業員のみならず,外部の顧客やサプライヤーとのWeb経由のコミュニケーションを,セキュリティを維持した形で実現できる。同社が提供するXMLベースのメタディレクトリ製品「Novell DirXML」と組み合わせることで,既存アプリケーションのアカウント情報との同期化を容易に行うことができる。

 新バージョンの特徴として,認証手段がさらに多様化し,トークンやRADIUS認証に対応したことが挙げられる。また,リソースのセキュリティレベルに応じてこれら複数の認証手段を組み合わせ,認証の強度を上げる多要素認証にも対応した。

 一方「Novell SecureLogin 3.0」は,WindowsアプリケーションやWebアプリケーション,データベースアプリケーションなど,ほぼすべてのアプリケーションを対象に,Novell eDirectoryと連携してシングルサインオン機能を提供するクライアントソフトウェアだ。特に,企業システム内で,アプリケーションごとにばらばらだったユーザーIDとパスワードを統合し,利便性とセキュリティを兼ね備えた環境を実現できる。

 これら2つはセキュリティの側面に注目した製品であるのに対し,「Novell Portal Services 1.5」は,Novell eDirectory内のユーザー情報に基づいて,パーソナライズされた企業情報ポータル(EIP)を実現するツールである。これにより,社内のユーザーも社外のユーザーも,ニーズに応じてカスタマイズされたWebポータルにアクセスすることができる。

 したがって一連の製品は,インフラとなるeDirecrotyの上に,主にシステム内部のセキュリティとシングルサインオンを実現するSecureLoginと,外部からのアクセスも含めてWebアクセスのセキュリティを実現するiChainがあり,このいずれにおいても,Portal Servicesによってカスタマイズされたポータルを提供できるという形に整理できる。

 製品の価格はいずれもオープンプライズ。SecureLogin 3.0は6月28日より,それ以外の3製品は5月31日より出荷が開始される。

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