| エンタープライズ:ニュース | 2002/07/30 22:28:00 更新 |

「IBMを凌駕するベンチマークを実現」と新生HP幹部
日本オラクルと日本ヒューレット・パッカード(HP)は7月30日、「Real Application Clusters Summit」と題したセミナーを開催した。Oracle 9i Real Application Clusters(RAC)と、日本HPのプラットフォーム、hp serversを組み合わせることで、高いアベイラビリティを備えたエンタープライズ環境を実現できると、両社は主張する。
日本オラクルと日本ヒューレット・パッカード(HP)は7月30日、「Real Application Clusters Summit」と題したセミナーを開催した。
このセミナーの趣旨ははっきりしている。Oracle 9i Real Application Clusters(RAC)やOracle9i Application Server Release 2と新生HPが提供するプラットフォームを組み合わせたオープンシステムは、ミッションクリティカルなエンタープライズを支えることができる、というものだ。
基調講演の中で両社は、旧DEC時代の協業関係も交えながら、20年にわたるパートナーシップを強調。変化の時代において、もはや止まることが許されない企業システムに、システムデザインやビジネスプロセスの変更も含んだ、ミッションクリティカルな環境におけるベストの経験を提供していくとした。
「新生HPとOracle 9i RACの組み合わせは、最強のミッションクリティカル環境を実現する」(日本HP代表取締役社長の寺澤正雄氏)
「(HPに)オラクルが付けば、IBMをはるかに超える強力なパートナーシップになる。将来を見据えるという意味では、間違いなく最良の組み合わせだ」(日本オラクル代表取締役社長、新宅正明氏)
リホスティングも視野に
両社長の発言を受けて、セミナーに合わせて来日した米HPのワールドワイドセールス担当マネージャ、アラン・ローダー氏は、「オラクルの経営チームと新生HPの経営陣は緊密な関係にある。オラクルとHPによって顧客がベストな経験を得られるように、最適化やパフォーマンスのチューニングに注力している」と述べた。

オラクルのエリソンCEOと新生HPを率いるフィオリナCEOのツーショットを前に語るローダー氏
両社は、互いの製品を自社システムに採用するほか、日本HPが市ヶ谷に設けた「Mission Critical Certified Center」などのコンピテンシーセンターを通じて技術検証を行っている。
ローダー氏によると、両社は顧客向けに、プリセールスからシステム構築、サポートまでの各ステップにおいて、協業を行っているということだ。既にサポートについては、両社のレスポンスセンターを接続して、連携しながらパッチの提供などの対応を行っているという。
「顧客からは、“ハイアベイラビリティ”や“ディザスタリカバリ”を実現するシステムを提供してほしいというリクエストを受けることが多い。これを実現すべく、将来的には両社のコンサルタントが協力して作業を進められるようにしたい」(ローダー氏)。メインフレームのリホスティングも重要な分野だという。
さらに同氏は、両社は製品開発においても、ライフサイクル全般にわたる協業関係を築いていくと述べた。製品出荷前のテストと最適化、パフォーマンスのチューニングと品質検査を通じて、「顧客の現在の経験だけでなく、将来の経験も保護するために投資している」(同氏)。
こうした共同作業の成果の1例が、オラクルより唯一認定を受けた、HPの16wayサーバだという。もう1つは、類を見ないパフォーマンスだ。
もちろんベンチマーク測定というのは、あくまで特定の環境下における1つの指標に過ぎず、ユーザーの実環境とは異なる数値となる場合も多い。それでいて、この数値を巡ってIBMやサン・マイクロシステムズ、そしてHPが熾烈な争いを続けているのも事実だ。
「われわれは間もなく、おそらく8月になるだろうが、SuperdomeをベースにOracleの最速ベンチマークを出す予定だ。これはIBMが(5月に)出した数値を簡単に上回ることだろう」(ローダー氏)
今後も両社は共同で製品開発を続ける予定だ。HPでは特に、Oracle9i RACの次バージョンへの対応を図るほか、ItaniumやNUMA(non-uniform memory access)、ダイナミック・リコンフィグレーションといった新技術のサポートを進め、さらに高いパフォーマンスと信頼性を備えた次世代製品を提供していくという。
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[高橋睦美,ITmedia]
