エンタープライズ:ニュース | 2002/10/01 16:23:00 更新 |
NCR、すべての人に意思決定のパワーをもたらす「Teradata Warehouse 7.0」発表
NCRテラデータ部門は、ラスベガスで行われているTeradataユーザーグループの年次総会「PARTNERS 2002」カンファレンスで「Teradata Warehouse 7.0」を発表した。経営層だけでなく、コールセンターのオペレーターに至るまで、企業のすべての人にパワフルな意思決定支援をもたらすのが特徴だ。
NCRのテラデータ部門は9月30日、この日ネバダ州ラスベガスで開幕したTeradataユーザーグループの年次総会「PARTNERS 2002」カンファレンスでTeradataの新バージョンを発表した。
エンタープライズデータウェアハウスを構築し、迅速な意思決定を支援するためのデサインされた「Teradata Warehouse 7.0」は、経営トップからコールセンターのオペレーターに至るまで、「企業のすべての人にパワフルな意思決定支援をもたらす」(マーク・ハード社長兼COO)。意思決定支援のために最初からパラレルデータベースとして開発された「Teradata Database」を核とし、重要なクエリを優先できる「Priority Scheduler」「Teradata Warehouse Miner」「Teradata Warehouse Builder」などから構成されるほか、ティブコなどのパートナーらからEAIソフトウェアベンダーも提供される。
1991年、NCR(当時はAT&Tが所有)の傘下に入ったテラデータだが、今やTeradata事業はNCRの経営を支える屋台骨へと成長しつつある。2002年上半期の業績では、全体の売り上げが前年同期比で9%減少する中、Teradata事業は3%の成長を見せ、5500万ドルの利益を生み、全体の業績に大きな貢献をするまでになっている。
1999年秋からテラデータ部門の責任者となったマーク・ハード氏は、その手腕が評価され、この9月からNCR全体のCOOに昇格したばかりだ。
1980年にNCRへ入社したベテランのハードCOO
MGMグランドホテルのボウルアリーナで行われたオープニングのゼネラルセッションでハード氏は、「企業の資産であるデータをアプリケーションごとにデータマート化してしまうのではなく、情報中心に考え、統合された意思決定のためのアーキテクチャを選択すべきだ」と話した。
ゼネラルセッション後に行われたQ&Aセッションには、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメントのモハン・ソーニー教授も同席し、サイロのように孤立したデータマートではなく、それらを統合することによって、顧客の求めることを予測できる「プロアクティブな」企業が生まれると話す。
「多くの企業では部門ごと、社員の階層ごと、あるいは現在のオペレーショナルデータと過去の履歴データという時間ごとに、それぞれデータのサイロが出来上がってしまっている。これらを統合・集中化することによって、意思決定は逆に分散化する。独裁が民主化を生むという面白い例だ」とソーニー氏。
DHWで知られるノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメントのソーニー教授
NCRテラデータ部門では、データマートやオペレーショナルデータストア(ODS)をエンタープライズデータウェアハウスに統合することによって、単にTCO(総所有コスト)が削減できるだけでなく、情報を新鮮な状態に保つことができるとしている。
NCRの会長兼CEOを務めるラーズ・ナイバーグ氏もゼネラルセッションで「意思決定のスピード」が他社との差別化を図るうえで不可欠だと指摘しているが、ハード氏は「企業は情報更新のスピードを求めており、10分以下でデータウェアハウスの情報を更新したいという顧客企業もある」と明かす。
到着が遅れたために乗り継ぎ便を逃した顧客が搭乗ゲートに殺到したとき、どの顧客を優遇すべきか航空会社は瞬時に判断しなければいけない。さらにプロアクティブな対応が可能となり、到着したゲートで、「この便に振り替えました」とか、「今晩はこのホテルに宿泊してください」といったオファーがあれば、顧客の満足度を損なうことは避けられるかもしれない。
「われわれは数年前から“アクティブデータウェアハウス”を唱えてきたが、ようやくTeradataが得意とする機能を求めるようになった」(ハード氏)
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日本NCR
[浅井英二,ITmedia]