エンタープライズ:ニュース | 2002/10/01 16:34:00 更新 |
Keynote:明確なROIで顧客の信頼を勝ち取るNCRのTeradata
「PARTNERS 2002」カンファレンスのゼネラルセッションに、ラーズ・ナイバーグ会長兼CEOが登場し、「Teradataは厳しい経済状況にあっても新規顧客を獲得し、既存顧客もシステムを拡張している。同技術の将来がNCRのポートフォリオ全体に良い影響を与えていくと信じている」と話した。
9月30日、ラスベガスのMGMグランドホテルでTeradataユーザーグループの年次総会「PARTNERS 2002」カンファレンスが開幕した。オープニングのゼネラルセッションに、NCRのラーズ・ナイバーグ会長兼CEOが登場し、「Teradataは厳しい経済状況にあっても新規顧客を獲得し、既存顧客もシステムを拡張している。同技術の将来がNCRのポートフォリオ全体に良い影響を与えていくと信じている」と話した。同社は、コンピュータメーカーからテクノロジーソリューションプロバイダーへの移行を進める中、エンタープライズデータウェアハウス製品であるTeradataに社運を賭けている。
1996年、AT&Tから再び分離したNCRで「選択と集中」を進めるナイバーグCEO
NCRでは、「ビジネス・インパクト・モデリング」と呼ばれるメソドロジーを開発し、Teradata導入によって得られるビジネス上の価値を定量化し、いわゆる「ROI」(Return on Investment)を明確にしている。
同社の10年来の顧客であるウォルマートは、Teradata技術に対してアップグレードを含む8回もの追加投資を行っているという。
「これこそ信頼の証」とナイバーグ氏。90社に上るOracleのユーザー企業が、エンタープライズデータウェアハウスの構築にあたってはTeradataを選択したとも。
最近ではH-E-Bやショーズ・スーパーマーケッツといった食料品の小売りチェーンがTeradataの顧客リストに追加され、北米の同分野におけるシェアは60%に達したという。また、スピーチでは触れなかったが、日本のヤフーが、オンライン広告の効果を測定するプロジェクトにTeradata技術を採用することも明らかにした。
生き残りのための3条件
ナイバーグ氏は、厳しい経済状況で企業が生き残るためには、情報資産の活用しかないとし、「意思決定のスピードを高め」「データを情報に変えて行動に生かし」、そして「顧客との良い関係を築くこと」の3つが不可欠だと話す。
ナイバーグ氏は、75%の従業員が意思決定が遅いために機会を失っていると認めている現状や、データが2004年までに1社当たり124テラバイトまで膨れ上がるというガートナーの予測を紹介する。
「ビジネスはリアルタイム。必要な情報が、必要な時に、必要な人に与えられれば、正しい意思決定が素早く行える。そうすれば、顧客との良い関係は築ける」とし、そのための統合された意思決定のためのアーキテクチャが必要だと強調する。
「意思決定はさまざまな場面、例えば、空港の搭乗ゲートの端末かもしれないし、顧客のデスクトップかもしれない」(ナイバーグ氏)
ナイバーグ氏は、業界の先を読み、そこへ素早く到達しようとチャレンジする例としてナショナル・オーストラリア・バンクを挙げた。Teradataによって構築された同行のエンタープライズデータウェアハウスは、2001年上半期に57万もの見込み案件をもたらした。金額に換算すると20億ドルもの新しいビジネスになるという。
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日本NCR
[浅井英二,ITmedia]