エンタープライズ:ニュース 2002/12/10 23:45:00 更新


日本SGIが日立、ブロケードと協業し、オールインワンSANシステムを発売

日本SGIは、日立製作所およびブロケード コミュニケーションズ システムズとの協業によって製品化した、オールインワンのSANシステム「SGI SAN Server S600」を発表した。

 日本SGIは12月10日、都内で記者発表会を開催し、日立製作所およびブロケード コミュニケーションズ システムズとの協業によって製品化した、オールインワンのSANシステム「SGI SAN Server S600」を発表した。

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(左から)日立製作所情報・通信グループCOOの木村伊九夫氏、日本SGI代表取締役社長兼CEOの和泉法夫氏、ブロケード コミュニケーションズ システムズ代表取締役社長の松島努氏

 SAN Server S600は、コントローラにSGIの「Origin 300」、ストレージに日立の「SANRISE9500V」、SANスイッチにブロケードの「SilkWorm」を採用し、1本の19インチラックに収めた。SANシステムに必要な機能が、1台のSAN Server S600ですべてそろう形で、日本SGIでは国内で初の「オールインワン&ターンキーSANソリューションだ」としている。

 日本SGIの和泉法夫代表取締役社長兼CEOは「ビジュアライゼーションやHPCを手がけてきた我々の常識として、ストレージは最も重要な要素になった。グリッド・コンピューティングという言葉を耳にすることが多いが、ストレージも、各研究機関が持っているストレージを共有するような“ストレージグリッド”の時代になってきている」と、同社にとってのストレージ分野の重要さを強調する。

 日本SGIはすでに日立と、高速のSANシステム向け共有ファイルシステムである「CXFS(Clustered eXtended File System)」の共同開発や、SANRISEシリーズの販売で提携している。またブロケードともCXFSの共同開発やOEM契約を結んでいる。今回のSAN Server S600に関しては、これらの提携をふまえて3社で協業することにしたという。

 オールインワンで提供することによって、同等の容量を持つ他社のシステムと比較して2分の1以下の設置面積ですむほか、コントローラ、ストレージ、スイッチ製品をあらかじめ統合したことでSANシステムの導入・構築機関を従来(日本SGI比)の半分の機関で済むという。

 SAN Server S600のターゲットは、サイエンス/ゲノム、メディアアーカイブ、ブロードバンドの各事業者。さらにCADデータを大量に抱える製造業で、日本SGIと取引のある顧客を中心に販売活動を行う計画だ。

 価格は17Uの高さのショートトラックモデルで容量1Tバイトの製品が4200万円から。10日から販売するとしている。

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[佐々木千之,ITmedia]