エンタープライズ:ニュース | 2003/01/24 23:27:00 更新 |
富士通と米インテルがメインフレームクラスの信頼性を備えたLinuxサーバ開発で協業
富士通と米インテルは、基幹システム向けにメインフレームクラスの信頼性を備えたLinuxサーバの開発協業で合意した。富士通は2004年にXeon搭載サーバ、2005年にItanium搭載サーバを市場投入する予定。
富士通と米インテルは1月24日、都内で記者発表会を開催し、基幹システム向けにメインフレームクラスの信頼性を備えたLinuxサーバの開発における協業に合意したと発表した。
富士通は2002年10月に、
- Linuxの拡張性/信頼性向上と、新サーバの開発・提供
- ディストリビュータと連携したアプリ互換性保証・長期サポート
- コミュニティへの貢献・強調によるLinux OSの改善・強化
- ミドルパッケージを含む起業システム向けソリューション提供
- オープンソースソフトウェアを含むシステムサポート体制確立
以上を骨子とする、Linux事業への取り組みを発表している。富士通はこれまでに、同社ミドルウェア/パッケージソフトのLinux版の提供や、レッドハットと協調してIAサーバ「PRIMERGY」へ「RedHat Linux Advanced Server」をバンドルしたモデルなどを提供している。
米インテル上席副社長兼エンタープライズプラットフォーム事業本部長のマイク・フィスター氏と富士通の代表取締役副社長兼CTOの杉田忠靖氏。フィスター氏は富士通の技術、経験、実績への期待を口にした
今回のインテルとの協業発表はそれに続くもので、企業のミッションクリティカルな業務で使われる、メインフレームに匹敵する信頼性を持ったIA搭載のLinuxサーバを開発するという。この協業は2002年11月以来両社で検討してきたもので、富士通はXeon DP/MPプロセッサファミリを搭載したサーバを2004年末、Itaniumプロセッサファミリを搭載したサーバを2005年末を目標に開発・提供する。これらのサーバは128プロセッサまで拡張できるものになるという。インテルは富士通に対してプロセッサの供給、およびサーバ、アプリケーション開発支援を行う。また両社はLinuxコミュニティと協力してのLinuxの機能・信頼性・性能強化や、ISVのLinux対応に向けたプロモーション活動を行うとしている。
この「メインフレームクラスの信頼性」には、高信頼性、高可用性、高拡張性、自立運用性といったことも含まれており、これまで富士通製品も含めたIAサーバでは提供できていないレベルのものだという。富士通の代表取締役副社長兼CTOの杉田忠靖氏は「(インテルの)汎用プロセッサを使ったからといって、どこでもこのような信頼性を持った製品が作れるわけではない。富士通がこれまでメインフレームや高性能UNIXサーバで培った基幹システム技術やノウハウがあってこそ可能になる」と述べた。このメインフレームクラスのLinuxサーバ開発のためだけに300名を配し、すでに開発を開始したという。
富士通の技術/ノウハウを結集してメインフレームクラスのLinuxサーバを開発するという
富士通ではこの高信頼性Linuxサーバを、メインフレーム、高性能UNIXサーバに続く3つめの高性能サーバとし、2006年に1000億円規模の売り上げを目標にしている。インテルのプロセッサロードマップによれば、2004年には90ナノメートルプロセスで製造されるXeonプロセッサが、2005年には90ナノメートルプロセスで製造され、1つのシリコンダイに2つのプロセッサコアを搭載するItaniumプロセッサ(コードネーム「Montecito」)が登場することになっている。富士通が開発する高信頼性Linuxサーバには、これらのプロセッサが搭載される見込み。
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[佐々木千之,ITmedia]