エンタープライズ:ニュース 2003/02/26 20:20:00 更新


SAP、CRMの最新版「CRM 3.1」を発表

SAPジャパンは2月26日、同社のmySAP CRMの最新版として、CRM3.1の一般出荷を5月31日から開始することを明らかにした。

 SAPジャパンは2月26日、同社のmySAP CRMの最新版として、CRM3.1の一般出荷を5月31日から開始することを明らかにした。同製品は2001年10月に発表された3.0の後継製品。ポータルとの融合によりユーザー企業の従業員の生産性を向上させる「People Centric CRM」、重要チャネルとしてパートナーとの連携を強化する「PRM」(パートナーリレーションシップマネジメント)、PDAなどの携帯端末からSAP CRMベースの社内ポータルにアクセスできる「モバイルエンジン」などが強化ポイントになっている。なお、同社は今年の11月にはCRM 4.0をリリースするとも言われている(関連記事)。

 この日発表された3.1には、既に先行導入している化学品卸売業が1社あり、さらに、モバイルの機能を活用するシャープを含めた3社が現在システム導入を行っているという。

 新製品の特徴を説明した同社CRMビジネスディベロップメントディレクターを務める三村真宗氏は、CRMベンダーについて行われた矢野経済研究所の調査結果を紹介している。

「(ERPを提供する)SAPやピープルソフトが、シーベルなどの専業系CRMベンダーのシェアを奪うようになっており、その流れは止まらない」(三村氏)

 この調査によると、2000年のERP系ベンダー対専業ベンダーとの売り上げ比較では、ERP系ベンダー20%対専業ベンダー80%と遅れをとっていたものの、2002年のデータではこれが逆に、78%対22%とひっくり返っている。同氏は、市場全体の売り上げ額の8割をERP系のCRMベンダーが稼いでいることを強調した。

 新製品の特徴の1つは、オブジェクト指向のアプローチを取っていることにより、ユーザーインタフェース(UI)とビジネスロジックを分離できること。そして、コーディングではなく、パラメータの設定によってUIを制御できるため、これまでのような「カスタマイズのし過ぎでユーザー要件の変化に対応できなくなった」といった問題を回避できるという。

 また、ユーザー企業とその販売代理店などのパートナーとの間で、ポータルを活用した情報提供や販売促進活動などの効率的なマーケティングを展開できることも強みとなる。

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▼SAPジャパン

[怒賀新也,ITmedia]