エンタープライズ:ニュース 2003/04/25 08:01:00 更新


Windows Server 2003はダイナミックシステム構想の第一幕

カリフォルニア州サンフランシスコで「Windows Server 2003」の出荷を祝う大規模なイベントが行われた。朝方はあいにくの雨模様となったが、ダウンタウンの市民講堂には、3000人を超える聴衆が詰め掛けた。彼らが最初に目にしたメッセージは「Do more with less」だ。

 米国時間4月24日、カリフォルニア州サンフランシスコで「Windows Server 2003」の出荷を祝う大規模なイベントが行われた。これを皮切りに、マイクロソフトは向こう数カ月、日本を含む世界24の国と地域で一連のローンチイベントを展開していく。

 朝方はあいにくの雨模様となった24日だが、ダウンタウンのビル・グラハム・シビック・オーディトリアム(市民講堂)には、3000人を超える聴衆が詰め掛けた。かつては薄暗い公園が広がり、危険な地域のひとつといわれたシビック・センター・プラザも、数年前の再開発によって生まれ変わっている。シンフォニーホール、オペラハウス、図書館、美術館、市庁舎など、クラシカルな建築様式の施設が建ち並び、市民講堂もその中にある。

 シビック・センター・プラザ一帯の再開発は、1990年代後半の好景気を背景にしたものだが、2000年にドットコムバブルが消失し、以降は通信業界の不振、景気低迷によるIT支出の抑制、米国同時多発テロ、イラク戦争……、ご存じのような長いトンネルが続いている。化粧直しされた市民講堂でのローンチイベントも、アリーナに詰め掛けた聴衆が、最初に目にしたメッセージは「Do more with less」だ。

domore.jpg

会場となった市民講堂や市庁舎の周辺には「Do more with less」のバナーが幾つも掲げられた(バルマーCEOの基調講演後、空はすっきりと晴れ上がった)


 ただ、このメッセージは、単にコスト削減を意味するだけではない。企業はIT支出を抑制しながらも、同時に市場の機会を捉え、他社に先んじる競争優位さを獲得したいと考えている。Windows Serverのマーケティングを担当するグループマネジャーのバリー・ゴフ氏は、「6カ月後? 12カ月後? いつ景気が回復するのか分からないが、企業は戦略的なアドバンテージを築くべく最適なIT投資を行う」とみている。そうした企業への回答が、彼らにアジリティ(俊敏性)をもたらすソフトウェア、すなわちWindowsプラットフォームだ。

 Windows Server 2003のローンチによって、マイクロソフトが並み居るコンピュータベンダーに宣戦布告をした企業のデータセンターは、今や複雑さという大きな問題に直面している。それを「複雑さによる危機」と呼ぶのは、調査会社、フォレスタリサーチのアナリスト、フランク・ジレット氏だ。

 彼は前日のプレス向けアナリストパネルで「データセンターの運営には莫大な人件費がかかる。また、分散システムがここでは非効率でうまく機能していない。例えば、サーバやストレージは、その20%程度しか使われていない」と話していた。

 フォレスタリサーチでは、Windows Server 2003のローンチに合わせるかのように、データセンターでIT革命が始まったとみている。緊縮化されたIT予算を少しでも自社に振り向けてもらえるよう、コンピュータメーカーらが、データセンターの効率を改善するさまざまな構想を打ち出してきたからだ。ヒューレット・パッカードのアダプティブインフラストラクチャ、IBMのオートノミックコンピューティング、サン・マイクロシステムズのN1といった大手コンピュータメーカーらの構想は既に走り出しており、マイクロソフトも3月にダイナミックシステム構想(DSI)を発表したばかりだ。

 プロセッサが共有化され、ストレージはプール化が進む。ネットワークが単一化され、ソフトウェアはWebサービスとなり、そして管理はプロアクティブになる。そうした世界をフォレスタでは「Organic IT」と呼び、向こう5年でITコストを半減させられるのでは期待する。

 Organic ITに向けた歩みの第一歩となる今年、各社は「プロビジョニング」を自動化する取り組みを打ち出している。プロビジョニングとは、ハードウェアやソフトウェアを企業が購入したあと、それぞれの構成に合わせて使い始められるまでに必要とする作業のこと。データセンター運用にかかる負荷のひとつだ。

 マイクロソフトは、Windows Server 2003に対応した「Automated Deployment Service」(ADS)のリリースを予定しており、この機能によって、管理者はソフトウェアイメージを生成して複数台のサーバインストールに役立てられるようになるという。

 IDCが最近まとめた調査結果によれば、TCOに占めるハードウェアとソフトウェアの比率は、両者を合わせても1割にも満たないという。それに対して、運用や保守を行うスタッフの人件費が6割を超える。ベンダー各社がその効率化を顧客らに提案するのは当然で、マイクロソフトも、ソフトウェアアーキテクチャを核とし、ハードウェアメーカーやISVらと協力して自動化されたコンピューティングを目指そうとしている。

 Windows Server 2003は、マイクロソフトがデータセンターのIT革命に取り組む最初の製品といっていい。

「企業は厳しいIT予算をやり繰りしている。まさにWindows Server 2003の出荷は時期を得たものだ」

 マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、市民講堂のアリーナを埋めた3000人の聴衆を前に、こう言ってローンチイベントのキーノートを始めた。

auditorium01.jpg

会場となったビル・グラハム市民講堂


関連記事
▼基調講演:こぶしを突き上げるバルマーCEO、Windows Server 2003がベンチマークで首位
▼企業にアジリティをもたらすWindows Server 2003
▼最愛の子、「Windows Server 2003」を送り出すトンプソン副社長
▼ジェットブルーの空の旅を支えるのはWindows
▼大規模な宣伝攻勢でWindows Server 2003を売り込むマイクロソフト
▼サードパーティーを取り込むマイクロソフトの新オートノミック戦略「DSI」

[浅井英二,ITmedia]



Special

- PR -

Special

- PR -