エンタープライズ:ニュース 2003/04/25 11:18:00 更新


基調講演:こぶしを突き上げるバルマーCEO、Windows Server 2003がベンチマークで首位

大きなカラダを揺らしながら、マイクロソフトのバルマーCEOは、こぶしを何度も突き上げた。Windows Server 2003がついにベンチマーク競争でRISC/UNIX陣営を打ち負かしたのだ。インテルのオッテリーニCOOもステージに招き上げ、新しいサーバOSの「祭典」がクライマックスを迎えた。

「やったー。カトラーを招き、1988年から開発を始めたサーバOSが、ついにナンバーワンになった」−−こぶしを何度も突き上げ、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、トランザクション処理性能のベンチマーク競争で、RISC/UNIX陣営を打ち負かした喜びをその大きなカラダで表現した。

 米国時間4月24日、カリフォルニア州サンフランシスコで「Windows Server 2003」の出荷を祝う大規模なイベントが行われた。基調講演のハイライトは、ウインテルが並み居る強敵を打ち負かし、ついにベンチマーク競争で首位に立ったことが明らかにされたときだった。

 エンタープライズ向けでパッケージもないサーバOSということもあり、Windows Server 2003の「祭典」は、Windows XPや、かつてのWindows 9xのときのような派手さに欠けたが、このときばかりは大きな拍手が会場から沸き起こった。

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Windows Server 2003のローンチで朝方の雨も吹き飛ばしたバルマーCEO


 基調講演の冒頭、バルマー氏は、「景気低迷による予算の見直しによって、企業のIT部門は厳しい課題に直面している。だからこそ、Windows Server 2003の出荷は時期を得たものだ」と話した。オープニングのビデオも、今回のローンチイベントで一貫して使われた「Do more with less」のメッセージを伝えるだけだった。

 しかし、バルマー氏は、その冒頭で「“Do more with less”の指標として、パフォーマンスが最も分かりやすい」と布石を打ち、盟友であるインテルのポール・オッテリーニ社長兼COOをステージに招き上げた後半に今回のショーのクライマックスを持ってきた。

 7年前の1996年、Windows NT 4で記録したTPC-Cベンチマークの値は3904tpmに過ぎなかったが、2月のIntel Developer Forum(IDF)では、Itanium 2/1GHzを32基搭載したNECの「Express5800/1000シリーズ」が首位に肉薄していることが明らかにされた。もちろん、Windows Server 2003 Detacenter EditoinとSQL Server 2000 Enterprise Editionの組み合わせで、どちらも64ビット版だ。

 そのIDFからわずか2カ月のこの日、Express5800がついに首位に立つ51万4035tpmを叩き出したかと思うと、今度はヒューレット・パッカードのSuperdome(64CPU)が65万8277tpmでその記録があっさりと塗り替えられた。いずれも「Madison」のコードネームで知られるItanium 2 6M/1.5GHzへのアップグレードによる結果だという。Madisonでは高速キャッシュが6Mバイトに増やされており、Express5800の例では、TPC-Cベンチマーク値が19%向上していることが分かる。

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盟友インテルのオッテリーニCOOも登場。右にHPのSuperdome、バルマー氏の後ろにはユニシスのES7000が並ぶ


移行事例も多数紹介

 パフォーマンスの影に隠れがちだが、管理性とセキュリティの改善がWindows Server 2003の大きな目玉であることに違いはない。Windows NT 4を使い続けるユーザーにアップグレードを促したいマイクロソフトにとっては、ぜひとも強調しておきたいところだろう。

 バルマー氏の基調講演では、ケンタッキー州の教育委員会が大量に配備していたWindows NT 4をWindows Server 2003にアップグレードし、幾つも存在したドメインコントローラーをActive Directoryによって統合した例が紹介された。州内1400校の70万人をサポートするシステムで、NT 4のままでは中央からの管理が不可能だったという。

 同プロジェクトにマイクロソフトらと共に参加するデルコンピュータのマイケル・デルCEOは、ビデオで登場し、「Windows Server 2003によって、管理性とセキュリティが大幅に改善した」と話した。

「Trustworthy Computing」(信頼できるコンピューティング)構想によって、Windows Server 2003の最優先事項がセキュリティに変更されたことはよく知られている。デザイン段階から見直された結果、露見されたアタックはWindows 2000 Serverの1/2、NT 4 SP6a + Option Packは1/3以下に抑えられたという。

 Windows 2000 ServerからWindows Server 2003への移行事例も基調講演では紹介された。パーフェクトストーム状態の航空業界で利益を上げている数少ないニューヨークの航空会社、ジェットブルーエアウェイズだ。同社は50万のマイレージ会員の情報を管理し、さらにその数は毎日、3000人ずつ増えているという。

 ビデオに登場した同社のCIO、ジェフ・コーエン氏は、「スケーラビリティこそ最大の課題」と話した。

 ジェットブルーでは、2台の32ビットサーバで稼動させていたマイレージ会員のデータベースをユニシスのItanium 2サーバ、ES7000に統合したほか、データウェアハウスの移行にも着手しているという。

 この日、基調講演のステージに据えられたES7000/560は、Xeonが32CPUのパーティション1つとItanium 2が16CPUのパーティション2つに内部を分割できる、「CMP」(セルラーマルチプロセッシング)機能を持つ。ブレードサーバアプライアンスを収納することも可能で、1つのボックスに32ビットのWebサーバ、32ビットのアプリケーションサーバ、そして64ビットのデータベースサーバを統合することができる。既存の資産を生かしながら、サーバ統合を実現できるわけだ。

 このほか、ステージでは、世界第2位のロンドン証券取引所が、Windows Server 2003とVisual Studio .NET 2003によって遅延なく情報を伝えるシステムを構築している事例も紹介された。同システムは、.NET Framework 1.1とVisual C# .NETによって開発されており、マイクロソフトではそのパフォーマンスに問題がないことを強調している。

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[浅井英二,ITmedia]



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