エンタープライズ:ニュース 2003/05/16 23:24:00 更新


Office System、カスタム定義スキーマ対応でXMLサポートが大幅強化

プロセス管理とデータの再利用という面からXML対応の大幅強化が図られた「Microsoft Office System」。MSCE 2003では、Office Systemの各アプリケーションのXMLの対応について説明された。

 プロセス管理とデータの再利用という面からXML対応の大幅強化が図られた「Microsoft Office System」。「the Microsoft Conference + expo 2003」では、各アプリケーションでのXMLの対応状況が説明された。XML対応を大幅に強化したことで、使い慣れたOfficeを社内業務アプリケーションのフロントエンドとして利用できるようになる。

「XMLは、W3C標準のオープンなデータフォーマット。これにより、異なるシステム間でのデータ交換を容易にする。情報の作成やアクセス、管理の方法を根本的に変えるのが特長だ」(細井 智氏 マイクロソフト製品マーケティング本部オフィス製品部シニアプロダクトマネジャー)

細井氏

使い慣れたデスクトップ環境に高度なXML機能を統合したのがOffice System、と細井氏


 マイクロソフトのOfficeは今回初めて、XMLをサポートするわけではないが、今回ユーザーが任意にXMLスキーマを定義できるカスタム定義スキーマをサポートしたことで、既存のバックエンドのシステムとの連携が可能になった。細井氏によると、Microsoft Officeは、「Office 2000」からXML対応を開始。このときはまだマイクロソフト独自フォーマットだった。続く「Office XP」では、Excel、Accessで扱うような定量データでのみW3C標準のXMLをサポート。Webサービスにも「Office XP Web Service Toolkit」により対応している。

 Office System製品では、「Excel」「Access」「Word」「FrontPage」「Visio」、そしてOfficeの新アプリケーションとなるXMLオーサリングツール「InfoPath」がXMLをサポートする予定だ。プレゼンテーションでは、「Excel」「Access」「Word」「InfoPath」について紹介された。

 Excelでは、XMLデータでのインポート、エクスポートが可能。作業ウィンドウ上で、XMLスキーマを読み込み、ドラッグ&ドロップで簡単にセルにマッピングできる。XMLデータからスキーマを自動的に推測する機能も搭載する。XMLスプレッドシート形式での保存も可能だ。

 Wordでは、繰り返し項目といったような階層構造には対応しないが、通常のXMLやスタイルシートを読み込むことができるようになる。XML読み込み/保存時にXSL(XMLスキーマ)変換も行える。また、使用したXMLスキーマをためて、必要なときに適用できるスキーマライブラリ機能も持つ。

 Accessでは、データベースの構造からXMLデータやスキーマ、スタイルシートを作成できるようになるという。

 XMLフォーム、スキーマ、スタイルシートを作成できる「InfoPath」は、「入力モード」とフォーム開発用の「デザインフォーム」を兼ねたアプリケーション。WordやExcelを編集するのと同じ要領でXMLデータを容易に利用できる。企業システムのバックエンドシステムと連携するリッチなフロントエンドとしての活用が想定されている。たとえば、Webベースのアプリケーションではオンラインでしか作業できないが、InfoPathであればオフラインでも利用できるといったメリットがあるという。また、業務報告書といった情報共有ツールとしても活用できる。

 Excel、Word、InfoPathでは、XMLを活用して「スマートドキュメント」と呼ばれる、作業ウィンドウを情報ウィンドウとして活用することが可能になる。スマートドキュメントにより、作業ウィンドウをバックエンドのデータと連携させ、さまざまな情報を一元的に扱えるようになるという。

スマートドキュメント

Excelを使った旅行予約システム。作業ウィンドウからバックエンドシステムのデータを参照している。スマートドキュメントではこういったことが実現できる


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関連リンク
▼the Microsoft Conference + expo 2003ページ
▼マイクロソフト

[堀 哲也,ITmedia]