| エンタープライズ:ニュース | 2003/06/06 23:37:00 更新 |

ERP業界がOracleとSAPの2大勢力時代へ
米Oracleが米PeopleSoftを買収すると発表した。ERP業界はSAPとOracleという2大勢力が突出することになる。この日エリソン氏は「SAPとの関係はまったく変わらない」と話している。
米Oracleが米PeopleSoftの発行済み株式のすべてを1株16ドル、総額で51億ドルで買収する提案をしていると発表した。
PeopleSoftは6月2日に、J.D. Edwardsを買収すると発表したばかり。その直後には、BaanがSSAと統合されることが明らかにされており、アプリケーション業界に再編の波が押し寄せている。
気になるのは、PeopleSoftを買収後に、Oracleの製品ラインがどうなるかということ。この日、OracleのラリーエリソンCEOは、「われわれは、新規顧客にPeopleSoftを積極的に売り込むことはしないが、PeopleSoft製品へのサポートは提供する。さらに、PeopleSoftから、将来のOracle eBusiness Suiteへと移行するために、先進的な特徴を加えるつもりだ」と話している。
OracleとPeopleSoftはともに、大企業向けERPパッケージベンダーであり、機能はほとんどが重複する。この日の発表では、敵対的買収ではないとされ、PeopleSoftの開発も継続されるという。Oracleとしては、PeopleSoftの顧客ベースを取り込むことで、売り上げを増加させるとともに、徐々にOracleにアップグレードしていき、ERP業界での地位を確立する。
これにより、ERP業界はSAPとOracleという2大勢力が突出することになる。ただし、この日エリソン氏は「SAPとの関係はまったく変わらない。なぜなら、SAPはOracleのデータベースのセールスにとって重要な存在だからだ」と話している。
またこの日、米Oracleが出したリリースによると、この買収が完了した場合、秋に実現する予定のPeopleSoftによるJ.D. Edwards買収の時期などが見直される可能性もあるが、Oracleとしてはこの取引をサポートするとしている。
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