エンタープライズ:ニュース 2003/06/11 17:03:00 更新


Sun、J2MEアプリ開発の“混乱”解消に向けたプログラム

Sunは「Java Verified」プログラムによって、携帯電話やPDAの分野に見られる「Javaの不統一」の問題に対処する。(IDG)

 米Sun Microsystemsは6月10日、携帯電話向けJavaアプリケーションの開発を簡素化するための新しいプログラムを発表した。

 まず、Nokia、Siemens、Sony Ericsson Mobile Communications、およびMotorolaの携帯端末上で実行可能な「Java Verifiedアプリケーション」を、統一的にテスト/認定するためのプログラムが発表された。

 Sunはまた、Java開発者によるJ2ME(Java 2 Micro Edition)アプリケーションの作成を支援し、コンシューマーと企業に売り込んでいくプログラムとして「Sun Developer Network Mobility Program」を立ち上げた。同社は「Java.com」のサイトで、こうしたソフトウェア製品をコンシューマーに紹介していく。

 JavaOne開発者会議で講演したSunの幹部らは、今やスマートカードからスーパーコンピュータまで、あらゆるものの上で走っているJavaプラットフォームを、よりシンプルにする必要性を強調した。

 「われわれは単一プラットフォームの定義を、共通プラットフォームに戻さなければならない。すべての技術を共通のアーキテクチャにまとめる必要がある。今週皆さんが当社から聞く話の大きなテーマの1つは、単一のJavaを推進し続けるために、われわれはどうやって力を合わせればいいのかだ」とSunのソフトウェア担当執行副社長、ジョナサン・シュワルツ氏は述べた。

 Javaプラットフォームの不統一は、おそらく、J2MEの分野で最も目立っている。この分野には極めて数多く――Sunによると9400万以上――のデバイスが存在し、現在、Javaは多種多用なマシンで動いている。「Javaのオープンな性質により複数のチョイスが存在しているが、このことが混乱も招いている」とJ2MEビジネス&マーケティングディレクターのエリック・チュー氏。

 Sunによると10日の発表は、開発されたJavaアプリケーションが各種ハードウェアプラットフォーム上で実行できることを保証する手助けとなるもので、これによって結果的に、Java開発者の混乱は減るという。

 Motorolaマーケティングマネジャーのマハド・アヤラー氏は、Sunが携帯電話やPDA向けにまとめているMobile Information Device Profile(MIDP)を指して、「J2MEの分野には一つ問題がある。あるMIDP 2.0デバイス用に書いたアプリケーションが、別のMIDP 2.0デバイスで実行できるとは限らないことだ」と指摘している。

 開発したアプリケーションが各種携帯電話で実行できることを保証したいデベロッパーは、現状では、各携帯端末ベンダーと個別にその作業に当たらなければならない。

 Sunは「Java Verified」プログラムの立ち上げによって、この問題に対処する計画だ。このプログラムは現状、覚え書きベースで、今後まだ交渉を重ねていく必要があるが、Java開発者がNokia、Motorola、Siemens、Sony Ericssonの端末上でのアプリケーションの動作保証を得る作業を、一カ所にまとめるものとなる。

 Sunは10日、「Developer Network Mobility Program」も発表した。これも開発者向けで、アプリケーションの作成とテストを支援する。Sunはまた開発者に、Java.comサイト上でマーケティングフォーラムを提供する。Java.comサイトは新プログラムの下、よりコンシューマーにフォーカスしたものになる。

 最後に、Sunは「Business Mobility Initiative」というプログラムも発表した。これは、製造、金融サービス、通信の各業界におけるJ2MEアプリケーションの導入促進を目指したもの。

 「このプログラムの意図は、コストと複雑さを減らして企業のモバイルソリューション導入を促すことだ」とSunのエンタープライズソリューショングループマネジャー、パクストン・クーパー氏は説明している。

 同氏によると、SunはAether SystemsやLucent Technologiesなどのパートナーと協力して、Javaベースのモバイルアプリケーションやサービスを開発する。こうしたアプリケーションやサービスの第一弾は、3〜4カ月以内に発表されるという。

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[Robert McMillan,IDG News Service]

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