エンタープライズ:ニュース 2003/06/11 15:15:00 更新


基調講演:オープンソースコミュニティーを巻き込むJava.net

JavaOneカンファレンスの初日、基調講演でシュワルツ執行副社長に続いて登場したのは、ソフトウェア部門のCTOを務めるファウラー氏。彼は、オープンソースコミュニティーを巻き込むべく、新たに開設された「java.net」サイトを紹介した。

 米国時間6月10日、「2003 JavaOne Conference in San Francisco」初日の基調講演で、ジョナサン・シュワルツ執行副社長に続いて登場したのは、Sunソフトウェア部門のCTOを務めるジョン・ファウラー氏だった。シュワルツ氏がJavaの快進撃に気勢を上げたのに対し、ファウラー氏は今後のJavaの方向性やオープンソースコミュニティーをうまく取り込むべく開設された「java.net」サイトを紹介した。

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ソフトウェア部門で先端開発グループを率いるファウラー氏


 ファウラー氏によれば、Javaの方向性は明快だ。

 「パワーやリッチネスを追加し、複雑さを排していく。そして、多くの使いやすいツールの登場を促す」とファウラー氏。

 Sun自身も明日11日には「Project RAVE」の詳細を明らかにするなど、開幕前から今回のJavaOneでは開発ツールがホットな話題となるとみられていた。

 Oracle9iに緊密に統合されたJDeveloperを擁するOracleも、Java開発の生産性を高めるツール開発に力を注いでいるベンダーの1社だ。サーバサイドで動作するアプリケーションのGUI開発を簡素化してくれる「JavaServer Faces」APIが現在、JCP(Java Community Process)のエキスパートグループで討議されているが、同社はSunと一緒に積極的にその作業に関与しているという。

 ファウラー氏に紹介されたステージに上がったOracleのテッド・ファレル氏は、JavaServer Facesをサポートする次期バージョンのJDeveloperをスニークプレビューした。ドラッグ&ドロップでデータバインディングできるほか、例えば、実行時にはラジオボタンをクリックすると、それに関連するデータだけがレンダリングされるなど、その先進性をアピールした。

 かつてOracleがツール開発で協力を仰いでいたBorlandも、ステージに招かれた。JavaOne基調講演の常連ともいえる同社のチーフサイエンティスト、ブレーク・ストーン氏は、JBuilderツール単体の開発生産性というよりは、システムの要件定義から始まって、設計、開発、テスト、配備に至るアプリケーションライフサイクル全体をカバーする一連の同社ツール群を売り込んだ。

 Borlandは昨年10月、StarbaseおよびTogethersoftを相次いで買収し、アプリケーションライフサイクル全体の統合を図っている。

 ステージでは、統合されたプロファイラーによって実行時に無駄な時間を費やしているコード部分を割り出し、その解決方法を知識共有のためのツールであるStar Teamで問い合わせる過程がデモされた。

「単に開発工程だけでなく、ライフサイクル全体をカバーし、しかもわれわれのゴールは、開発チーム全体の生産性を高めること」とストーン氏は話す。

「Javaはコミュニティー」

 Sunのファウラー氏は、将来のJ2SE 1.5およびJ2EE 1.5についても触れ、「その最大のテーマは、開発を容易にすることだ」と話した。その詳細は、Sunの開発ツール、「Project RAVE」に関連して11日の基調講演で明らかにされるとしたが、「Javaは単に技術だけではない。Java言語を良いものにしようと考えているコミュニティーそのものでもある」とファウラー氏は話す。

 普段は競合しているベンダーらが集い、JCPでJavaの標準化作業を続けている。そのメンバーは661に上る。

 さらにはSunでは、オープンソースコミュニティーのパワーやリソースをJavaの進展のために巻き込むべく、今回のJavaOneカンファレンスで「java.net」サイトの開設も明らかにしている。

 ファウラー氏は、java.net内でJavaゲームテクノロジーグループがホストするJavaゲームおよびゲームテクノロジーに関するプロジェクトを紹介しながら、java.netをデベロッパーらに売り込んだ。Javaゲームテクノロジーグループは最近、新設されたばかりだ。java.netでは、だれでも簡単にプロジェクトを開始することができ、オープンソースのバージョン管理ツール、CVS(Concurrent Versoins System)も用意されている。

 なお、Sunでは、ロゴの変更を機に大規模なブランドキャンペーンを展開、コンシューマー向けの「java.com」サイトを開設している。現在、グラミー新人賞を獲得した人気アーティスト、クリスティーナ・アギレラをフィーチャーした「Christina Everywhere」プログラムを提供中だ。Javaベースのこのプログラムをダウンロードすれば、待ち受け画面に彼女のフォトが入り、さらに彼女に関する最新のニュースが常に入手できるという。

 Sunのシュワルツ執行副社長によれば、Javaのブランド認知度は85%に達しているという。クリスティーナの力を借り、さらに高めたいところか。

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▼2003 JavaOne Conference in San Franciscoレポート
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[浅井英二,ITmedia]



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