エンタープライズ:特集 2003/07/4 14:48:00 更新


特集:第1回 なぜWebLogic Serverが選ばれるのか (3/6)

TomcatとWebLogic Serverの比較

 ここまでの内容を読むと、世の中すべてのWebアプリケーションサーバがWebLogic Serverで稼働しているような錯覚に陥ります。しかし、実際にはASP/ASP.NET、IBMのWebSphereなどが勢力を伸ばし続けています。実際の所、WebLogic Server最大のライバルは、Tomcatと呼ぶオープンソースライセンスに分類されるソフトウェアだと、筆者は考えています。

 無償ソフトと有償ソフトとを比較することに価値があるのか? という意見も聞かれます。これも、もっともな見解です。

表■TomcatとWebLogic Serverの比較
  Jakarta Tomcat BEA WebLogic Server
ソフトウェア価格 0円 (保守契約を行わない場合) 198万円/CPU(7.0J、8.1J)
ライセンス Apacheソフトウェアライセンス(オープンソース) 商用ソフトウェアライセンス
組み合わせ 自己責任で行える オールインワンで最初から組み込まれている
サポート 自己責任 サポート保守範囲で受けられる
J2EE JBossなどを組み合わせることで可能 提供される
ソースコードの変更および再配布 可能 不可能
「BEA WebLogic Server 8.1J Premium Edition」(クラスタ付、332万円/CPU)、「BEA WebLogic Express 8.1J」(機能限定版、49万8千円/CPU)。このほかにも多数のラインアップがあり、構成によって選択すべきプロダクトが異なります。

 上表は簡易事項による比較ですが、傾向だけは分かると思います。ソフトウェア価格の面を見ると、無償ソフトと有償ソフトとの差が明らかです。この点とカスタマイズ性をどのように捉えるかが両者の違いでしょう。

 例えば、筆者が所属する会社では、あるソフトウェアベンダーと契約してTomcatの保守サポートの提供を受け手います。Tomcatに関して保守契約さえ締結すればよく、例えばおすすめのソフトウェアでの組み合わせ、バージョン、インストール方法などが紹介されます。Tomcatを使っていてちょっとした出来事で困ってしまう場合には、このような保守締結を行うという選択肢も存在しているのです。

 一方で、J2EEの側面から見てみると、TomcatおよびJBossを組み合わせることでJ2EEすべてのAPIが提供されるかというと、現時点では難易度が高いのも事実でしょう。筆者の見解では、Tomcatの選択時は、JSP/Servletなどへと用途を限定したほうがよいでしょう。利用範囲を限定すれば、Tomcatの利用者、インストール台数、動作実績もかなり多いことから、うまくコントロールすることでコストパフォーマンスが期待できます。また、そうした自己責任で目的を達成することでソフトウェア自体を安価に済ますことも王道の1つです。

 そして特に注目したいのは、そもそものソフトウェアライセンスの相違点です。Tomcatは、Apache ソフトウェアライセンスと呼ばれるOSI団体によるオープンソースと分類、認定されている形態です。OSIによってオープンソースに分類されるようなライセンスのプロダクトは、まず最初にソースコードが含まれます。そして、ソースコードの修正が許可されており、自由に再配布もできます(それ以外にもライセンス条項にはいろいろ書かれています)。

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[伊賀敏樹 ,ITmedia]



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