特集
2003/08/08 13:00:00 更新


特集:LVMによるディスクパーティションの動的化(後編) (1/5)

OSからハードディスクを管理するためには、従来よりパーティションで区切るという伝統的な決まりがある。そのパーティションの壁を緩和するのが「LVM」。この特集では、導入方法を詳細に解説していこう。

VGにPVを追加してみよう

 特集前編までの解説で、LV(論理ボリューム)を実際に作成して利用できるようになった。まず最初に用語の復習をしていこう。流れを把握したい人は、前編から通して読むことをすすめる。

目 次
1. VGにPVを追加してみよう
2. LVをリサイズしよう
3. システム起動時にLVを自動マウントさせるには
4. LVMの操作には2つのシーンがある
5. PV移動とVGからの取り外し方
6. スナップショットでバックアップコストを下げる
7. LVMに次ぐ「LVM2」が進行中

・PV(Physical Volume)
 物理ボリュームのこと。通常、/dev/hda7や/dev/hdcなどと示す「ディスクデバイスそのもの」を指す意味と同義。

・VG(Volume Group)
 上記のPVを束ねて作成するボリューム単位のこと。この中から実際に使う「論理的な」パーティションを切り出すことになる。

・LV(Logical Volume)
 「論理的なボリューム」と称すものであり、VGから切り出して実際に利用可能となる「パーティション自体」を示すもの。

 後編の最初には、LVMを使う理由のひとつとなる「パーティション(PV)の追加」手順に目を向けていこう。パーティションの追加ができるようになると、LVM最大の利点である「パーティション容量の追加」を行うことが可能となる。

 この記事ではVG(ボリュームグループ)に追加するパーティションがひとつであるため、残っているPVをひとつ追加してみよう。これでVGを使い切っていても、さらなる拡張が可能だ。このために使うのが「vgextend」コマンドであり、VGとPVを指定する。

リスト■lvextendによるPVの追加
# vgextend system /dev/hda8
    vgextend -- INFO: maximum logical volume size is 255.99 Gigabyte
    vgextend -- doing automatic backup of volume group "system"
    vgextend -- volume group "system" successfully extended
# vgdisplay
    --- Volume group ---
    VG Name               system
    VG Access             read/write
    VG Status             available/resizable
    VG #                  0
    MAX LV                256
    Cur LV                1
    Open LV               1
    MAX LV Size           255.99 GB
    Max PV                256
    Cur PV                2
    Act PV                2
    VG Size               8 GB
    PE Size               4 MB
    Total PE              2048
    Alloc PE / Size       512 / 2 GB
    Free  PE / Size       1536 / 6 GB
    VG UUID               VvS3G8-aC1t-BIUb-nFFM-Mec6-5UVT-zsS1hv

 追加後のvgdisplay実行結果では、「Free PE/Size」項目が2GBから6GBへと増えている点に注目してほしい。

 なお、逆にVGから特定のPVを抜くためのコマンドとしてvgreduceが用意されているが、このコマンドを利用する際には注意点がある。後述しよう。

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[佐藤大輔,ITmedia]

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