エンタープライズ:ニュース | 2003/09/16 14:17:00 更新 |
米本社のiForceセンターに見るSunのソリューション展開
Sunが掲げるソリューション──カリフォルニア州メンローパークキャンパスに設けられたiForceソリューションセンターにそろうソフトウェア検証の実演を見る。
「SunNetwork 2003」カンファレンス開催の前日、アナリスト向けにカリフォルニア州メンローパークに位置する米Sun Microsystemsのキャンパスツアーが行われた。現在、本社は同州サンタクララに移されたものの、現在でも基盤となる事項はメンローパークオフィスで進められているという。また、このキャンパス内には「iForceソリューションセンター」と呼ばれる検証施設が用意されており(参考記事)、規模こそ異なるもののアジア圏ではシドニー、ソウル、シンガポール、東京(用賀、国内本社)、ほかにもパリ、比較的小規模なものを合わせればストックフォルム、ミューヘン、ミラノ、マドリードと拡大されている。世界中で35カ所を数える。
ここではベンダーの85アプリケーションが用意され、幅広いソリューション提供ができるよう配慮されている。概念実証後、さらにカスタム検証を行えばユーザー先への納品となるが、広くソリューション披露を協力を依頼すれば85%の割合で承諾を得ているという。そのフィードバックは、もちろんiForceソリューションセンターでのデモへと反映される。
インダストリー&ストラテジーデベロップメント、マージ・ブレーヤ氏から「iForceソリューションセンター」を展開する、サンがターゲットとする根底となる戦略が語られた。
サンがビジネス上の特徴としているのは、セグメント化を行わないという点。これは現在の垂直型市場に対し同社が最も良いと判断した結果であろう。その理由は次の通りだ。
「最も重要なビジネスのプロセスは、ITのテクノロジーがどのように差別化できるのかを見せることだ」とブレーヤ氏。サンはこの点に着目し、ビジネス業界ごとに2つの大きなセグメントを設定している。1つはテレコミュニケーション(電気通信)、そして金融関係だ。これをトップ2と呼び、さらに製造、政府などと計4つが並ぶ。このジャンルを最低限カバーすべくiForeceソリューションセンターでは、基盤となるシステムを披露し、導入のための指針を実機で見せ、実際の稼働を検証してパフォーマンステストまでを行えるようにしている。
ブレーヤ氏は、「トップ2と称したものの1つ、テレコミュニケーションでは、ほかとは異なる決定的なものがある」と語る。それは、2桁の割合でITに対する投資が行われているという点だ。株式の取引には14%を情報テクノロジー、テレコミュニケーションでは18〜24%といった統計があるという。この数値がいかに高いかは、ほかの業界では1〜6%のIT投資との統計見解から強調された。
ほかにも根底理由として、ビジネスプロセスによって投資の差が出るのは当然であり、トランザクションが重要であれば、必然的にITに対する投資が大きくなるとの見解だ。ブレーヤ氏は、自然な展開だと強調する。
Voice over IPに寄せるオフィスランニングコストの見直し
キャリアが提供する中でも昨今ではワイヤレスが重要視され、そしてエンタープライズ向けではVoice over IPが最も注目すべきだ、とブレーヤ氏は語る。
これまでのVoice over IPを語る観点は、多くの場合で消費者向けがほとんどでありオフィスにおける影響力見解が欠けていたという。その一方、クオリティ面の問題視もありいまひとつ日が当たらない現状となっている。
しかし、このマーケットにかけるサンの情熱がブレーヤ氏からコメントされ、サン自らの導入、そして事例作りについてが触れられた。企業内の電話は社員1人に年間250ドル程度を要するという。しかし、出張先でも使うことや留守番電話などのオプションによりこのコストは増大するとの見解だ。テレコミュニケーション分野では、先行をしているNTTドコモの例を世界中に広げていくことを目的としていると語る。サンでは、特にサービスデリバリープラットフォームと呼び、課金システムをつなげることでプロビジョニングが可能になるなど、IT導入による差別化がここにも強調される。
「サービスを増やしながらも低価格化を目指している」とブレーヤ氏。サンのオフィスでは、Sun Rayとの連携によって社員は世界中どこからでも馴染みなデスクトップへログイン可能であるといい、オフィス内のランニングコストに対しもシビアな姿勢だ。この試みのすべては製品として反映されていく。
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関連リンク
SunNetwork 2003 Conference レポート
Sun Microsystems|iForce
[木田佳克,ITmedia]