エンタープライズ:ニュース 2003/12/15 20:10:00 更新


「i」から「g」へ、ITの未来が一堂に会するOracleWorld Tokyo

12月17日、「OracleWorld Tokyo」が3年ぶりに帰ってくる。IT市場全体が冴えない中、来場者目標として掲げられたのは「2日間延べ10万人」。目玉は、OracleWorld Tokyoで国内デビューする「Oracle 10g」だ。

 「OracleWorld Tokyo」が3年ぶりに帰ってくる。

 12月17日、18日、東京ビッグサイトで「Oracle 10g」を目玉にした「OracleWorld Tokyo」が開催される。

 3年前、インターネットの大きなうねりがエンタープライズコンピューティングに押し寄せる中、日本オラクルは「i」(スモールアイ)を冠した「Oracle9i」を正式発表した。50以上もあった製品群を同ブランドの下に統合したほか、「Real Application Clusters」(RAC)と呼ばれるクラスタ技術を提供し、ノードの追加によるリニアな性能向上と高い可用性を両立させた。

 しかし、「i」が流行したインターネットバブルはとうに消失している。企業はITに対する投資を例外なく見直している。プロジェクト一つひとつの規模も小粒となり、顧客企業はその成果を早く、しかも確実に獲得しようとしている。IT市場が縮小してしまえば、そのプレーヤーからは大胆さも消え失せてしまう。

 IT市場全体がこうした悪循環に苦しむ中、日本オラクルはOracleWorld Tokyoの来場者目標として「2日間延べ10万人」を掲げた。

 「OracleWorld Tokyoには業界を挙げて多くのパートナーに出展していただけた。たくさんの来場者を呼び、活気のあるカンファレンスにしたい。ウォー、という雰囲気を作り出せたら成功だ」と話すのは日本オラクルの新宅正明社長。

衝撃のOracle 10g、128ノード構成をデモ

 もちろん目玉は、OracleWorld Tokyoで国内デビューする「Oracle 10g」だ。

 ITが次なるステージに進むために欠かせないのが、コンピュータ資源の最大活用と運用管理の簡素化だろう。「i」に代え、Gridの「g」を冠したOracle 10gは、Oracle9iで実現された真のクラスタ機能、Oracle9i RACをさらにエンタープライズグリッドの高みへと引き上げるものだ。

 Oracle 10gを利用することで、企業はコモディティ化が進む業界標準のハードウェアリソースを必要に応じて購入し、そのリソースも各アプリケーションのピークに合わせて動的に再配分できるようになる。しかも、将来はUNIX、Linux、Windowsが混在するヘテロジニアスな環境においてもデータベースグリッドを構築できるようになるという。

 今週、米国ではHP Integrity rx5670(Itanium2 × 4CPU)の16ノードクラスタ構成で、118万4893.38 tpmCという最高記録を叩き出したことが明らかにされた。このベンチマーク値は2位以下を大きく引き離すもので、価格性能比も5.52ドル/tpmCと劇的に引き下げられている。

 日本オラクルはまた、過去のOracleWorld Tokyoで「世界初」へのチャレンジにこだわりを見せてきたが、今回も度肝を抜くショーが用意されている。「グリッド」の名に恥じない128ノードのシステムにSunのブレードサーバで挑む。

 このほか、展示フロアにはユビキタス、位置情報サービス、無線ICタグといった次世代ソリューションが溢れ返るという。

 「OracleWorld Tokyoに来ていただければ、2004年のシナリオはすべて分かる」と新宅社長は話す。

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[浅井英二,ITmedia]

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