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2004/03/30 09:58 更新


マイクロソフト平井氏「カスタマーバリューの最大化を目指す」

3月29日に行われたマイクロソフトの月例プレス説明会では、同社常務取締役の平井康文氏が登場、エンタープライズ分野への取り組みを語った。

 この四月で就任から一年を迎える平井氏は、一貫してソフトウェアソリューション戦略を打ち出してきた。そして、現在のマイクロソフトの最大の目標は「カスタマーバリューの最大化」であるという。マイクロソフトの月例プレス説明会に登場した平井氏は、「ビジネスの成長よりも顧客満足度の向上を目指す」というスティーブ・バルマーの言葉を使って、同社のエンタープライズ分野への取り組みを説明した。

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常務取締役 エンタープライズビジネス担当の平井康文氏。


 顧客の立場から「顔が見えるマイクロソフト」を心がけているという平井氏は、同社セールス部隊のインセンティブが今年から、売り上げではなく顧客満足度向上の成果で評価されるという仕組みにしたことを明らかにした。また、万一のクレームなどの際には解決時間の短縮を図るため、一定額まで現場で即決済できるシステムを取り入れていることなども説明。

 こうした営業やサポートの体制に加え、テレセールスでは顔写真入りのメールによってコミュニケーションをはかるということも行われている。

 顧客満足度の軸となる製品のValueの部分は、製品戦略の中核となるWindows Server Systemが担う。Time to Market、TCO削減、ROI向上という三つの側面に加え、ビジネスプロセスマネジメントの四大要素であるモデリング、実行管理、統計/分析、モニタリングそれぞれのステージに沿う製品が用意されている。

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ビジネスプロセスマネジメントから見た製品マッピング。


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マイクロソフト製品が実現する業務プロセスの統合。


 ソリューションは顧客の業種ごとにそれぞれ適切なものを提供する必要がある。そのため平井氏のもとには製造、流通サービス、金融、公共、通信という五つの分野ごとに対応部隊が配置されている。そして、「産業業種別に業界特有の語り口(用語)に置き換えた、バーティカルなソリューションの用意がある」と平井氏。また、このビジネスにはパートナーとの協業が重要だということにも触れ、月例のセミナーなどの開催によって、パートナーとの良好な関係を築く努力をしていることも述べた。

 同社のエンタープライズビジネスをソフトウェア主体のサービスへと移行していく中で、平井氏は一つのビジョンを掲げている。それが、「信頼され、未来を託される存在へ。私たちはプロフェッショナル集団としてお客様のビジネス価値を創造し続けます。」というもの。

 これは、平井氏がかかえる三百数十名というメンバー全員で作り上げたスローガンだという。同社が昨年取得したプライバシーマークやより徹底したセキュリティへの配慮など、カスタマーバリューの最大化を目指す同社の取り組みは、今後も範囲を広げて進められていくという。

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[柿沼雄一郎,ITmedia]

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