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2004/04/12 23:05 更新
SAPジャパン、NetWeaver 2004を日本で出荷
SAPジャパンは「R/3以来の中核製品」として注力する新しいプラットフォーム「SAP NetWeaver 2004」の出荷を同日から開始することを明らかにした。
SAPジャパンは4月12日、都内で記者発表会を行い、「R/3以来の中核製品」として注力する新しいプラットフォーム「SAP NetWeaver 2004」の出荷を同日から開始することを明らかにした。また、デベロッパーを含めたパートナー企業との関係強化を強調するため、「SAP NetWeaver パートナーコンソーシアム」の設立も併せて明らかにしている。
NetWeaver 2004は、従来個別に出荷していたSAPモバイル・インフラストラクチャ、SAPエンタープライズ・ポータル、SAPビジネス・インテリジェンス、SAPマスタデータ・マネジメント、SAPエクスチェンジ・インフラストラクチャ、SAP Webアプリケーション・サーバ、SAP複合アプリケーション・フレームワーク、SAPソリューション・マネジャを含むすべてのバージョンアップを同時に行い、サポートパッケージとともに単一の製品として出荷するもの。J2EEや.NETといったオープンな業界標準との相互運用性が考慮されており、SAPとそれ以外のシステム間の統合を可能にするという。
これにより、R/3やサプライチェーン、CRM、パートナー企業の製品、またRFIDを ベースにした新たなビジネスプロセスを構築する「Auto-ID」などを統合環境上で運用できるとしている。
発表会の冒頭、SAPジャパンの藤井清孝社長は、企業の一般的な傾向として、IT変更に時間とコストがかかるために、企業がモデルを購入するのではなく“構築”してしまうことに触れた。その結果、IT予算の80%が現状維持に使われ、さらにTCO削減圧力が増大することで、結果的にビジネスに必要な機能が提供できないという悪循環が存在していると指摘している。
「柔軟性、スピード、持続可能性を同時に実現することが必要」とする同氏は、NetWeaverでそれが実現できるとの結論を述べた。
システム間の統合の問題の解決を核とするNetWeaverの技術的な特徴については、既に2月26日の「SAP NetWeaver Conferenece '04」でも紹介されているため、この日は詳細には踏み込まれず、同社におけるNetWeaverの位置づけと取り組みを中心に話が進んだ。
パートナー企業を代表して講演したアクセンチュア、アジアパシフィックテクノロジー統括パートナーのゲイリー・フィッツジェラルド氏は、「システム統合は非常に大きな問題だが、NetWeaverはギャップを埋めてくれるもの。技術的に大きな前進」と評価している。
一方、マーケティングを含めた同社の取り組みについて話した同社バイスプレジデント、ソリューションマーケティング統括本部長を務める玉木一郎氏は、「SAPはこれまでビジネスアプリケーションとしての印象が強く、開発者との関係が強くなかった。“NetWeaver”後は、開発者とのコミュニティを広げて行く」と話す。これを実践するのが、世界で4万人を超えるという開発者コミュニティ「SAP Developer Network」という。
また、日本でNetWeaverのビジネスを加速させるために、パートナー間で製品情報やビジネスプランを共有するために、SAP NetWeaver パートナーコンソーシアムを設立する。
1つの製品である強み
NetWeaver 2004の技術的な特徴について紹介したソリューション本部NetWeaverソリューションズディレクターの菅沼隆太氏は、「昨年までは(ビジネスインテリジェンスの)BIやポータルがバラバラに提供されていたが、NetWeaver後はすべて1つのプラットフォームで提供される」ことを強調した。
Web AS 6.40を基盤に、全製品を一括インストールできるほど、1パッケージとして集約していることで、運用管理の集約などさまざまなメリットが想定できるとしている。
導入事例
NetWeaverの導入事例として紹介されたのは、光学部品メーカーとして知られるカールツァイス。
従業員1万4000人を擁する同社の課題は、販売店チェーンに商店をおき、ロジスティック戦略を新たに構築することにあった。そのため、既存のシステムと新しいビジネスプロセスを統合しなくてはならなかった。
同社はこれに、「インテグレーション・ハブ」というシナリオで対応した。これは、ビジネスプロセスを蓄積し、集中管理するという作業を単一のプラットフォームで実現するというもの。
これをNetWeaverを利用して実装した結果、新しいチェーンの実装に14日間しかかからなかったという。5年間のROIが362%、投資回収期間は33カ月としている。
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[怒賀新也,ITmedia]
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