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2004/05/17 18:02 更新

C/SとWebアプリの良いとこ取りしたクライアントソフト戦略――日本IBM
日本IBMは、C/S型とWebアプリの利点を生かしたモバイルクライアント環境を可能にする「IBM Workplace Client Technology」を発表した。オンデマンドビジネスを支援するソフト群のうち、「ピープルインテグレーション」と名付けるユーザーとの接点の中核技術と位置づける。
日本IBMは5月17日、クライアント/サーバ型とWebアプリの利点を生かしたモバイルクライアント環境を可能にする「IBM Workplace Client Technology」を発表した。この技術に対応した最初のコンポーネントとして「Lotus Workplace Messaging」および「Lotus Workplace Documents」を6月30日に販売する。
IBM Workplace Client Technologyは、操作性や豊富な機能などといったC/S型のアプリケーションとWebブラウザベースのアプリケーションの持つ管理性の両方を実現するサーバ管理型クライアント環境技術。Javaベースのミドルウェア群で実現されるため、WindowsやLinuxなど多様なクライアントOSの環境に対応できる。PC以外にもカーナビなどの組み込み機器や携帯電話にもこの技術を対応させた「IBM Workplace Client Technology, Micro Edition」も年内に提供する予定だ。
同技術に初めて対応した「Lotus Workplace Messaging」および「Lotus Workplace Documents」では、ユーザーはJavaベースのクライアントソフトをダウンロードして利用し、電子メールやスケジューラといったWorkplace Messagingの機能や、Workplace DocumentsのOffice文書管理機能をオフライン環境からでも利用できる。一方で、個人のユーザー画面などの環境や同期、アプリケーションコンポーネントのバージョンなどはサーバから集中的に管理でき、TCOを削減できるメリットがあるのが大きな特徴だ。
「サーバによるクライアントコンポーネントの集中管理による管理性と、C/Sのアプリケーションの豊富な機能性を実現する相反した機能を可能にしたリッチクライアント環境」と、同社ソフトウェア事業ロータス・ブランド・マネジャーの澤田千尋氏。同社ソフトウェア事業ブランド&スペシャリティ担当理事 川原均氏は、「当社がピープルインテグレーションと呼ぶユーザーとの接点になる領域の中核」になるものだという。
Notes/Dominoにおいてもバーションの7の標準テンプレートがIBM WorkPlace Client Technologyに対応するほか、バージョン8からは同技術上でそのまま稼動するようにする計画だ。「多くのNotes/DominoユーザーからWorkplaceによってどうなるのか、という質問を受けるが、最新版を使ってさえいてもらえば、既存のNotes/Dominoの資産をWorkplaceでも利用できるようになる」と澤田氏。
この技術は、同社が推進するオープンソースの統合開発環境「Eclipse」上で構築される。WorkplaceのサービスやAPIが提供され、今後ISVなどのサードパーティが対応アプリケーションを構築できるようにもなるともいう。
そのほかIBM Workplaceのファミリーには「WebSphere Portal」や「WebSphere Everyplace」などが含まれているほか、Lotus Workplaceファミリーには前出の2製品以外に、インスタントメッセージ機能のWorkplace Team Collaboration、Webコンテンツ管理のWeb Content Management、e-ラーニング機能のWorkplace Collaborative Leraningの3コンポーネントが含まれる。
IBM WorkPlace Client Technologyを利用するには、1ユーザー当たり月額数百円の技術サポート料が必要になる見込みだ。
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[堀 哲也,ITmedia]
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