OPEN Enterprise magazine 特集
2004/05/26 15:05 更新


ITコンサルティング・サービスを中核に――HPのアダプティブ・エンタープライズ戦略

ユーティリティ・データセンターの導入によって、従来型の「パッチワーク・インフラ」から、変化に素早く対応できる「アダプティブ・インフラストラクチャ」に移行させるというのがHPの狙いである。HPのアダプティブ・エンタープライズ戦略を見ていこう。

 米ヒューレット・パッカード(HP)は2001年11月、インテリジェントITインフラ・ソリューションを発表し、業界に先駆けてユーティリティ・データセンター構想「Utility Data Center(UDC)」を提唱した。

 その後、今年5月には「アダプティブ・エンタープライズ」戦略を発表、その中心に企業経営の視点から見たIT活用を据え、企業や組織がビジネスの変化に合わせて迅速に対応するためのIT環境の実現を目指している。つまり、ユーティリティ・データセンターの導入によって、従来型の「パッチワーク・インフラ」から、変化に素早く対応できる「アダプティブ・インフラストラクチャ」に移行させるというのがHPの狙いである。

 HPのアダプティブ・エンタープライズ戦略のなかでも、仮想化技術を中核とした、いわゆるユーティリティ・コンピューティングのテクノロジーが大きな比重を占めるが、この部分を具体化したのが、HPユーティリティ・データセンター・ソリューションである。

 同ソリューションは、単独のソフトウェアやテクノロジーではなく、システムの設計/構築/運用支援といったさまざまな要素を含む全体的なソリューション体系を意味する。ただし、当然ながら中核には他社と同様、仮想化とプロビジョニングの技術が存在する。

 HPのユーティリティ・コンピューティング実現に向けた取り組みは、技術面よりもユーザーメリットを強く意識している点、さらにリソースの利用効率向上やTCO削減といったコスト・メリットを超えて、「変化への迅速な対応」というビジネス指向の問題解決を前面に打ち出した点が特徴といえる。

 PDF中では、ユーティリティ・データセンターの中心的な要素や、「ラック」の組み合わせによるシステム構築といった点についても言及している。

本特集はソキウス・ジャパンが発刊している月刊誌「Open Enterprise Magazine」のコンテンツをPDF化したものを公開します。同特集は2003年12月号に掲載されたものです。

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 次回はサン・マイクロシステムズを取り上げる。他社のユーティリティ・コンピューティング戦略と大きく異なるターゲット見据えたネットワーク・コンピューティング・ビジョンに基づく次世代データセンター構想「N1」について確認していこう(5月28日公開予定)。