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2004/05/28 00:59 更新


通信事業者は「未来に向けた投資を始めた」とCisco

Ciscoのマーケティング担当副社長、クルビンダー・アフージャ氏は、「サービスプロバイダーは、過去ではなく、将来のサービスに向けた投資を始めようとしている」と述べる。

 米Cisco Systemsは5月25日、大規模ルータの新製品「Cisco Carrier Routing System-1」(CRS-1)をリリースした。この製品について、同社マーケティング担当副社長のクルビンダー・アフージャ氏は、「サービスプロバイダーは今、将来に向けた投資を始めようとしている。CRS-1はその動きをさらに支援するものだ」と述べた。

 CRS-1の発表に当たって同社は、高速な1つのネットワーク上で、データのみならず音声や動画、ゲームやストリーミングといったさまざまなサービスを提供する、というモデルを描いている。だがこの構想は同社の専売特許でもなければ、最近になって初めて提唱され始めたものでもない。

 アフージャ氏は、「確かに技術的には、シングルネットワーク上でマルチサービスを統合し、提供するということは数年前から可能だった。だが問題は、統合を進めていくスピードだ。これに関しては技術よりもむしろ、ビジネス上の要件がモノをいう」と語った。

アフージャ氏

P2Pアプリケーションによるトラフィックの爆発について「それを止めてしまうのは困難。むしろユーザーの動向を踏まえたうえで、何らかの優先サービスを展開して収益を上げるべき」と述べたアフージャ氏

 こうした変化をもたらす「推進力」だが、アフージャ氏によるとそれは徐々に姿を現し始めている。「日本で実際に起きていることだが、より高速なアクセスが、こうした動きを加速するビジネスドライバになる」(同氏)。

 そして今こそ通信事業者は、単なるインターネット接続を提供するのではなく、市場の動向を注視し、カスタマのニーズに合ったさまざまなサービスを提供していかなくてはならないという。「キャリア各社がCRS-1を歓迎する理由はそこにある。この製品は大きなキャパシティを提供するだけでなく、既存のサービスから移行可能なマルチサービスをじつげんできるからだ」(アフージャ氏)。

 同氏はさらに、明るさが見え始めてきた通信事業者市場に関して次のように述べた。「確かにCAPEX(投資コスト)は減少傾向にあるが、複数のアナリストの情報をまとめると、投資の傾向に変化が見られつつある。事業者は現在、設備投資に代表される過去に対する投資ではなく、新たなサービス――将来に向けた投資を行い始めた」。CiscoではCRS-1という製品だけでなく、ネットワーク設計に関するさまざまなノウハウや理解を提供することで、その動きを支援するという。

Executive Briefing Center

Cisco本社内に設けられているExecutive Briefing Center

 CRS-1は、同社が掲げる「Intelligent Information Network」(IIN)構想においても重要な役割を果たす。「IINを実現するには、ネットワークをより高速に、より信頼性が高く、よりスマートなものにしていかなければならない。CRS-1はそれを可能にするツールの1つだ」(アフージャ氏)。

CRS-1の後ろ側

CRS-1の背面。ミッドプレーン構造をとっており、前面にOC-768などのインタフェースを、背面にはL3スイッチングを収容するといった構成が可能

 また、CRS-1用に新たに開発されたASIC「Cisco Silicon Packet Processor(SPP)」と専用ソフトウェア「IOS XR」の機能を、同社の他の製品にも展開していく計画があるという。

 「たとえば、SPPの技術を活用し、GSR 12000ファミリのさらなる高速化を図ることを検討している。またIOS XRが備える分散フォワーディング/分散プロセシングという特性を他のバージョンのIOSに反映させたり、逆に既存のIOSの機能をIOS XRで利用したりといったことも考えている」(同氏)。

[高橋睦美,ITmedia]

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