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» 2007年04月09日 10時00分 公開

HyperionとHP Integrityでリアルタイム管理会計の世界へ:激化する市場競争 デンセイ・ラムダが挑むリアルタイム管理会計

標準電源装置などを開発・製造・販売をしているデンセイ・ラムダは、BIツールをCPMとして活用する企業だ。競争の激しい市場環境の中では、リアルタイムの管理会計が求められる。同社がそのプラットフォームとして選択したのは、64ビットに対応した「Hyperion System 9」の多次元データベース「Essbase Analytics」と「HP Integrityサーバ」だった。

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 近年、BI(Business Intelligence)に対する要求が大きく変化している。従来のBIは、ビジネスの「結果」分析を目的としてレポートを作成することに重きが置かれ、そのユーザーは社内の経営企画部門やマーケティングの専任担当者など特定の階層だけに片寄っていた。ところが、あらかじめ設定したビジネスの指標に対し到達度合いを管理するCPM(Corporate Performance Management)といった概念が登場し、いかにして迅速な意思決定を行い、課題に対して具体的な施策を実施できるかが企業に問われるようになってきた。これを支援するシステムとしてBIに注目が集まっている。

 CPMでは、業務プロセスをリアルタイムで監視し、担当者へのタイムリーな意思決定支援が必要となる。そのため、特定のユーザーへのレポートを中心としたBIシステムには、さほど要求されなかったリアルタイムの処理が求められてきている。

管理会計に求められるリアルタイム性の要求

 スイッチング電源や無停電電源装置および発電装置などを開発・製造しているデンセイ・ラムダは、ハイペリオンのBIツールをCPMとして活用する企業だ。標準電源装置というスタンダード化された製品を扱う同社にとって、迅速な意思決定はビジネスの競争力を左右する。

 同社の主な商品は、部材を調達しアセンブリ作業によって組み立てられ納品される。仕様が標準化されている商品も数多く、価格の設定や納品タイミングを逸すると、すぐに競合他社にビジネスを奪われかねない。同社も例外には漏れず、国内メーカとの競合のみならず、台湾、中国メーカとの競合にさらされている。そのため、適切なタイミングで適切な価格で適切な場所で部材調達を行い、製造コストのきめ細かな管理が求められるだけでなく、製品の在庫管理や流通の最適化など、さまざまな要素が複雑に絡み合った分析が必要とされる業界だ。

photo デンセイ・ラムダ情報システム部BPR推進グループグループマネジャーの片寄直樹氏

 情報システム部BPR推進グループグループマネジャーの片寄直樹氏は、「価格の安いものは数百円というものもある。このような製品では、製造経費データは場合によっては秒単位、金額にして厘(1円の1000分の1)の単位まで管理する必要がある。」と話す。

 このような激しい市場競争の中、デンセイ・ラムダは2001年からワールドワイドでERPパッケージの導入を開始、基幹系システムを統合することで海外拠点を含めた連結ベースでの会計の迅速化を図った。ITベンダーは、ERPパッケージには標準でさまざまなレポーティングツールが付属するため「これを用いればリアルタイムに会社状況が把握でき、タイムリーな意思決定支援ができる」と説明されたものの、実際のところはERPパッケージだけではリアルタイムな意思決定にはつながらなかった。

 「ERPは『塵も積もれば山となる』というシステムだ。一方、BIは『塵を集めて山を見せる』システムと言える。要するに、ERPは情報を工夫して見ようとしないと結果が見えてこないが、BIではユーザーに気づかせることができる」と片寄氏。

 同氏によると、日々発生するデータの中にこそ、意思決定に結びつく重要な事柄が内包されている。日々のデータそのものがビジネスにとって「重要な宝の山」だという。日々蓄積されるデータをBIでリアルタイムに可視化できれば、競争力を高める具体的なアクションへと結びつけられ、これがカイゼン活動へのトリガーになる。まさにBIがCPMへとつながるわけだ。

photo デンセイ・ラムダの経営コックピット。直感的な操作でワールドワイドのグループ12社の状況が簡単に把握できる。ここから課題が発見されれば、該当個所をクリックして詳細情報を参照できるようになっている ※クリックすると画像が拡大します

 デンセイ・ラムダでは非常に細かいデータが日々大量に蓄積され活用されているという。もちろん、ERPで管理する財務会計システムでは、ここまでの精度のデータは必要とされない。たが、同社では財務処理のためではなくきめ細かい管理会計を求めていた。それも、過去のデータを分析するというタイムスパンではなく、極めてリアルタイムに近くなければ競争力につながらない。

処理性能が求められるリアルタイム管理会計の世界

 分析を行うための多次元データベースは、データ量や分析軸が多くなればなるほど構築に時間を要する。デンセイ・ラムダでは5年分のデータを分析に用いる。その多次元データベースは、データ容量67Gバイト、キューブ数は90個、最大次元数が1キューブ当たり31次元、最大キューブサイズは17Gバイトに達しているという。一昔前ならば、十分にデータウェアハウスと呼ばれるサイズだ。また人間の頭では6次元を越えたあたりから理解するのは難しくなると言われるが、31次元という分析軸は極めて複雑なものといえる。

 また、海外のグループ子会社の増加などが新たな要件となり、キューブ構築時間にさらに影響を与え始めた。特に、海外拠点との時差の問題は深刻だ。従来のBIシステムであれば週次、日時の結果が1つの拠点の締めの翌日に分かればよかった。だが、時差のある海外拠点を含めリアルタイムに分析ができるようにするには、最後に数字が締められる米国西海岸の拠点に合わせてキューブの作成開始を遅らせるしかない。最も早くビジネスが開始される日本の始業時間までの極めて短い時間でキューブを構築する必要ができてきたのだ。

64ビット版HyperionとHP Integrityサーバという選択

 この厳しい要求を解決するものとしてデンセイ・ラムダが選択したのが、64ビットに対応した「Hyperion System 9」の多次元データベース「Essbase Analytics」と「HP Integrityサーバ」だ。大量データを高速に計算するためには、プロセッサの処理能力、メモリ、キャッシングの効率的な利用が必要だからだ。

 HP Integrityサーバに搭載されているインテル® Itanium® 2 プロセッサであれば、64ビットプロセッサの広大なアドレス空間が活用できる。さらに、Itanium® 2 プロセッサの特徴であるプロセッサ内の並列処理も計算処理を高速化するのに大きく寄与する。この高性能なプロセッサの能力を引き出すようにEssbase Analyticsも64ビット版となり、Itanium® 2に最適化されている。

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 片寄氏は「Hyperion Essbase Analyticsの導入で、決算処理の短期化を実現できた。これまで2カ月かかっていた処理を1カ月にできただけではなく、全社の予算管理が見える形となり、決算発表の内容も濃いものにすることができた」と話し、その性能に満足している。


photo HP Integrityサーバの最新ラインアップ

64ビット環境の実力

 デンセイ・ラムダでは、日本HPとハイペリオンの協力を得て、従来の32ビット環境と64ビットのHP Integrityサーバを用いた環境でのパフォーマンス検証を行っている。

photo デンセイ・ラムダが行った比較, デンセイ・ラムダが行った処理性能比較

 検証結果は上図のように64ビット版のEssbase AnalyticsとHP Integrityサーバの組合せによって、計算時間が半分に、クエリ時間は3分の1以下に高速化できることが分かったという。

 この検証では、搭載したメモリの量のみ増やしているが、クロック数はむしろHP Integrityサーバのほうが低い環境での比較だ。HP Integrityサーバであれば、さらにメモリ搭載量を増やしたり、処理の並列度を上げるといったチューニングの余地も十分残っている。

 メモリを増やした場合には、処理能力が向上することもすでに検証されており、インテルから新しく発表されているデュアルコアItanium® 2 プロセッサを採用すれば、新たな性能の大幅な向上も期待できる。

 「今回の検証の結果から、海外拠点の時差の問題などは解決する目処がついた」と片寄氏。今後はさらに連結ベースでの1日以内の速報配信によるシミュレーション機能の強化などを目標に掲げる。

 リアルタイムの管理会計の仕組みは、ユーザーが利用すればするほど新たな要望が生まれてきやすい。迅速な意思決定により、企業が変化し成長することを実感できるからだ。HyperionとHP Integrityサーバの組み合わせは、今後も企業の変化と成長に対し余裕をもって対応できるBIプラットフォームであり続けるに違いない。

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提供:ハイペリオン株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年5月8日