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» 2007年06月18日 00時00分 公開

ITサービスマネジメントの導入と定着に向けて「システムマネジメントの中核を担うサービスデスク基盤」セミナーレポート

5月25日、野村総合研究所(NRI)によるセミナー「システムマネジメントの中核を担うサービスデスク基盤」が東京都内で開催された。今回のセミナーでは、IT全般統制やシステムマネジメントなどの概念レベルから実際の構築事例まで、サービスデスク基盤に関する3つのセッションが行われた。

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5000台ものサーバ運用実績に裏付けられたノウハウや基盤製品

Photo 千手・アウトソーシング営業部 部長 渡辺浩之氏

 セッションに先立ち、千手・アウトソーシング営業部の渡辺浩之部長がセミナー冒頭の挨拶を行った。

 NRIのアウトソーシング事業では、自前でいくつかのデータセンターを運営している。同社が持つデータセンターの中で最大のものは横浜にあり、そこでは5000台ものサーバを預かっているという。また、9月にオープンする予定の横浜の新データセンターは、ブレードサーバーなどによる高密度実装が増えてきた現状を踏まえ、電力や冷却、床の耐荷重などを従来以上に高めて、より多くのサーバを受け入れられる設備になっているとのこと。

 「このような非常に多くの台数を運用するという課題を解決すべく、我々はITILに示されるような『3つのP』で取り組んできました。このアウトソーシング事業で培ったやり方や運用基盤を、皆様にご提供しています。今回のセミナーは、その中の『Product』の紹介を中心としていますが、我々は残る2つの『Process』『People』も含め、『3つのP』でお役に立てればと願っています」と渡辺氏は言う。

日本版SOX法対応を通じて「攻めのIT全般統制」を

Photo 産業ITマネジメントコンサルティング部 小山田弘樹氏

 1つ目のセッションは「NRIが考えるIT全般統制 〜内部統制対応の先にあるもの〜」と題して、産業ITマネジメントコンサルティング部の小山田弘樹氏が行った。

 「IT全般統制は『当たり前のこと』を『当たり前にやる』だけです。ただし、日本版SOX法対応においては第三者に理解してもらう必要があるので、自ら評価して開示・証明する必要があります。ITは経営管理や業務プロセスに深く入り込んでおり、内部統制を確立する上で重要なファクター。IT全般統制だけでなく、すべての領域でIT部門のイニシアティブが欠かせません」と小山田氏は語り、日本版SOX法が求める内部統制に対し、IT部門がどのように取り組むべきかを説明した。

 「日本版SOX法とされる金融商品取引法が求めるのは『財務報告の信頼性』ですが、その目的に限定した監査向け資料を作るのでなく、むしろ『攻めの統制』に繋げるツールとして活用すべきでしょう」

 その上で、小山田氏は以下のような4つの提言を紹介した。

  1. IT部門自身のValue Up活動の促進
  2. ユーザー部門のITオーナーシップ向上
  3. グループ大でのIT企画・戦略機能の強化
  4. ITのライフサイクルマネジメントの強化

 「IT全般統制のために業務・システムの棚卸しをすれば、現状の「見える化」ができますから、これを利用してIT部門の業務改革をすべきです。バラバラなサーバや業務プロセスをシンプルにすれば、次の棚卸しの際に作らねばならない文書も減って、日本版SOX法対応の負担も軽減されるはず。そして、IT部門はユーザー部門を支援するという本来の形に戻り、オーナーシップをユーザー部門に持たせられるよう、ユーザー部門に対し啓蒙活動を行うべきです。さらに、これまでより大きな視点でITの企画立案を進められるよう、企業グループ全体の規模でシステムを見える化することや、IT資産の定期的な評価を実施して、より有効かつ効率的なIT資産活用を行えるようにすることが望ましいと言えるでしょう」(小山田氏)

ナレッジ共有など多彩な機能を備えたサービスデスク基盤

 続いて、運用設計開発部の大平亮氏は、「システムマネジメントの中核を担うサービスデスク基盤(CONTACT CAFE SP Ver.2.1)」と題したセッションを行った。

Photo 運用設計開発部 大平亮氏

 NRIのCONTACT CAFE SPは、ITILに基づいたサービスデスクを構築するためのパッケージソリューション。インシデント管理や問題管理、変更管理といったサービスデスクに不可欠な機能を網羅しているだけでなく、システム運用管理ツールなどからインシデントを自動的に取得するなどの自動化機能、そしてサービスデスクの担当者や管理者の業務を支援する情報共有機能なども備えている。今回、大平氏はCONTACT CAFE SP Ver.2.1について、数々の画面例を示しつつ機能を紹介した。

 「CONTACT CAFE SPはWebベースで、サービスデスク担当者がログインすると、まず『ホーム』画面が表示されます。ここには、タスクやインシデント候補、ToDoや伝言メモなどが並んでおり、効率的にサービスデスク業務を進められます」

 CONTACT CAFE SPは「ナレッジ」機能を備え、情報共有やスキルレベルの底上げに役立つという点も大きな特徴だ。

 「インシデント管理機能や問題管理機能からナレッジへと、手軽に登録できるようになっています。再入力の手間がなく、FAQの蓄積が容易です」(大平氏)

 なお、CONTACT CAFE SPは、新バージョン(3.0)のリリースが近く行われる予定で、基盤部分にまで踏み込んだカスタマイズが可能になるなど、さらなる使い勝手の向上が図られるという。

3社にまたがる仮想的サービスデスクを作って内部統制を実現した例

 最後のセッションは、運用基盤サービス部の松本好弘氏による「サービスデスク基盤とプロセスの設計から定着までの実現事例」だ。ある大手部品メーカーが、NRIの支援を受けてサービスデスク基盤とプロセスの構築に取り組んだ事例を、こと細かに紹介した。

Photo 運用基盤サービス部 松本好弘氏

 この会社では、情報システム部門が本社内(企画・総務機能)、基幹業務系の情報システム子会社、技術システム系の子会社と3つに分かれており、しかも基幹系子会社は業務単位の組織体制、技術系の子会社はシステム種別単位の組織体制と、それぞれ異なる組織割りになっている。

 「窓口がまちまちでエンドユーザーの利便性が損なわれていること、対応する側にも標準的なプロセスやツールがなく個別対応となってしまうことなど、数多くの課題がありました。今回は、実際の組織を変更することなく単一サポート窓口を実現し、サービスデスクのプロセスを標準化、さらにサービスデスク業務品質の可視化や、サービスデスクにおける内部統制の強化までを目指して取り組みました」

 すなわち、3社にまたがる体制の中で、仮想的に単一のサービスデスク窓口を運用するという点が、今回の事例のポイントと言えよう。

 まず、サービスデスク基盤の設計段階として、2カ月かけてインシデント管理のプロセス標準化を行った。この段階では、インシデントとして管理する対象を決定し、インシデント管理プロセスフローについては現状のプロセスをITILの標準プロセスで見直して整理し、重要度などの分類基準や管理項目、KPIなどの策定を実施している。

 「KPIに関しては、数を絞り込むのが重要かと思います。今回のケースでは、インシデントの総数や納期遵守割合、一次サポートでのクローズ率など、5つの指標を用いることにしました」

 サービスデスク基盤構築は1カ月。CONTACT CAFE SPの導入や設定などが行われた。CONTACT CAFE SPが選定されたポイントは、「必要な管理項目を標準で網羅していてカスタマイズすることなく使えること」「ツールの利用に高度なスキルを要さないこと」「素早い一次サポートを実現するため入力や検索などのパフォーマンスが優れていること」「ツール自体の維持管理が容易なこと」などだったという。

 CONTACT CAFE SPの導入後、プロセス定着化に1カ月をかけている。サービスデスク担当者・管理者に対するツール操作の教育はもちろん、標準インシデント管理プロセスについての教育や情報共有を行い、さらに継続的なサービス改善を目指して「障害対策会議」「品質向上委員会」の2つの会議体を設置したという。

 「組織体制、プロセス、ツールのいずれも課題に対する成果が得られ、将来に渡って継続的な改善を進める環境が整いました」と松本氏はこの事例を結論づけ、最後に「学んだこと」を紹介した。

 「最初から完璧を求めるのでなく、設計のなるべく早い段階から現場の人を巻き込んで、後の修正作業を減らすことが重要です。設計段階ではプロセスの7割を完成させ、残り3割は導入・試行フェーズの修正として作っていくくらいが良いでしょう。また、プロセスについては、パフォーマンスが重要ではなく、ユーザーへのサービス品質こそが大切。質を重視して取り組んでいただきたい。そして内部統制は、ルールに沿って実行できるようプロセスを設計していけば、自然に実現されていくものです。そもそも、ルールに沿ったプロセスの実施こそが内部統制なのです」

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『システムマネジメントの中核を担うサービスデスク基盤』

【NRIが考える】内部統制への対応を短期間で実現できる実践手法を紹介する

内部統制の重要性がクローズアップされている中で今、【ITIL/ISO20000/COBIT】を意識したシステムマネジメントが求められている。⇒ITIL準拠のステップとして導入が比較的容易、かつ顕著に効果が表れるものが【サービスデスク業務(インシデント管理、問題管理、変更管理)】である。

本セミナーではITIL準拠のサービスデスク基盤『CONTACT CAFE SP』を通じて、【NRIが考える】内部統制への対応を短期間で実現できる実践手法を紹介する。


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提供:株式会社野村総合研究所
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年7月18日