Eclipse、RAP発表でJavaScriptを容易に

Eclipse Foundationは同組織にとって初となるAJAXサーバをリリースした。

[Darryl K. Taft，eWEEK]

　Eclipse Foundationは、「Eclipse Rich AJAX Platform（RAP）1.0」を発表した。これは無償でダウンロードできるAJAX（Asynchronous JavaScript and XML）サーバであり、リッチなインターネットアプリケーションの開発および実装が行える。

　Eclipse RAP 1.0は、Eclipseコンポーネントモデルを使用し、OSGi（Open Services Gateway Initiative）をベースとしてRIA（リッチインターネットアプリケーション）を作成できる初のAJAXプラットフォーム。Eclipse幹部によると、OSGiはサービス指向、コンポーネントベースの環境であり、アプリケーションおよびサービスの相互運用性を促進するという。

　独カールスルーエを本拠とし、オレゴン州ポートランドに米国本社を置くInnoopractのヨーヘン・クラウゼCEOによると、RAPを利用すれば、コンポーネントベースのAJAXアプリケーションやRIAを作成し、既存のエンタープライズシステムと連携することが可能だという。

　古くからのEclipseのメンバーであるInnoopractは、「Eclipse AJAX Toolkit Framework」の開発リーダーを務める。

　「われわれはEclipse.orgから初のAJAXサーバをリリースした。Javaを使ってRIAを配備することが可能なモジュラー型、コンポーネント方式のアプローチが初めて利用できるようになるのだ。さらに、機能面に関して言えば、人々がわれわれのリッチデータ技術を利用して配備してきた機能が、リッチアプリケーションの開発にも利用できるようになった」とクラウゼ氏は話す。

　同氏によると、これまでユーザーが利用してきた「Eclipse RCP（Rich Client Platform）」フレームワークをWebアプリケーションの開発にも利用できるようになるという。

　スペインのマドリードに本社を置くITコンサルティング／プロフェッショナルサービス会社Autonomindのロベルト・サンチェスCEOは、3月にEclipseプロセスでRAPが2周年を迎えて以来、同技術を利用している。

　サンチェス氏によると、Autonomindでは、RAPを利用して「AMVitae」というアプリケーションを開発した。これは履歴書を保存するためのアプリケーションだ。ユーザーは自分自身をアプリケーションに登録し、職歴、技術スキル、言語能力などの情報をそこに含めることができるという。

　ユーザーの情報は、AutonomindのデータベースにXML形式で保存される。「こうしておくことにより、新しいプロジェクトが始まったり、顧客からのリクエストがあったりしたときに、キーワードを使って履歴書を検索することができる。条件に合った履歴書が見つかったら、PDF形式でダウンロードすることができる。そして関係者全員の間でコミュニケーションプロセスが始まる。このアプリケーションのユーザーとしては、ソフトウェア技術者やシステム管理者を想定している」と同氏は説明する。

　サンチェス氏は、RAPならびに開発者がそれに注ぎ込んだ努力を称賛しながらも、「RAPは、Java Web開発者よりもEclipse／RCP開発者の方を向きすぎていると思う。リリース1.0では、RCP APIに準拠することに重点が置かれているようだ。しかし将来的には、従来のWeb開発要件をベースとした他社のJava Webフレームワークにも目を向けて機能を拡充すべきだ」と付け加える。

　「Javaのノウハウを持っている人はかなり多いが、JavaScriptのノウハウを持っている人は比較的少ない。RAPでは、彼らが既に使い慣れているツールセットを使用できるので、JavaScriptと格闘しなくても済む」とクラウゼ氏は話す。

　またクラウゼ氏は、RAPチームがEclipse Platformの大部分を再利用し、それをコミュニティーに提供できるようになると考えている。

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